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シリーズ出版『渋沢栄一と「フィランソロピー」』(全八巻)刊行にあたって | i |
はしがき | iii |
目次 | [vii] |
凡例 | xiii |
序章 渋沢栄一ならではの福祉実践とは何か / 兼田麗子 | 1 |
一 本書の問題意識 | 1 |
二 渋沢の福祉実践の源・糧となったもの | 3 |
三 渋沢の福祉実践を考察する意義 | 10 |
第I部 渋沢栄一に影響を与えた英仏の社会福祉・慈善活動 | [13] |
第一章 渋沢栄一はいかに慈善思想の特徴を形成したか : イギリス人ラウントリーの多様な救済事業を通じて / 岡村東洋光 | 15 |
一 渋沢にとっての慈善の出発点 | 15 |
二 穂積陳重「欧羅巴慈善情報」がもたらした大規模慈善活動への驚き | 16 |
三 一九〇二年の欧米訪問文明国の慈善と有料方式の発見 | 17 |
四 田中太郎「泰西社会事業視察一斑」が伝えたイギリスの多様な救済事業 | 20 |
五 同時代の企業家ジョーゼフ・ラウントリーの三トラスト : 社会の様相を変える民間の自発的公益活動 | 23 |
六 実費診療所にみる渋沢の到達点 : 慈善から社会事業へ | 27 |
第二章 ウェッブ夫妻の眼差しの奥に潜む「歴史」 : 近代イギリスのフィランソロピーの一断面 / 坂下史 | 35 |
一 東京養育院とロンドンの捨て子養育院 | 35 |
二 渋沢とウェッブ夫妻の出会い : 一致しなかった意図と関心 | 36 |
三 イギリス近代史のなかの福祉ボランタリズムと国家 | 43 |
四 イギリスのフィランソロピストたちの活動と困難 : ロンドンの捨て子養育院をめぐって | 47 |
五 渋沢とウェッブ夫妻のいくばくかの重なり | 53 |
第三章 渋沢栄一と第二帝政期のパリにおける社会福祉 / 岡部造史 | 60 |
一 若き渋沢がパリで体験した「異文化」 | 60 |
二 第二帝政期のパリの姿 | 62 |
三 集権的で多種多様な社会福祉事業 | 64 |
四 「公」と「民」の境界を越えた担い手と寄付の増加 | 70 |
コラム1 養育院の黎明期におけると大久保一翁と渋沢栄一 / 稲松孝思 | 77 |
コラム2 「航西日記』にみる社会福祉・慈善事業 / 関根仁 | 81 |
第II部 渋沢栄一がみたアメリカのフィランソロピーとフィランソロピスト | [87] |
第四章 アメリカにおけるフィランソロピーの歴史と渋沢栄一 / キャサリン・バダチャー (Katherine Badertschrer), ドゥワイト・バーリンゲイム (Dwight Burlingame) (翻訳・兼田麗子) | 89 |
一 本章における問題意識 | 89 |
二 フィランソロピーの萌芽 : 「市民の熱意と宗教的情熱の高まり」(南北戦争以前) | 91 |
三 変質するフィランソロピー : 科学として、ビジネスとして(一九世紀半ばから二〇世紀初頭) | 94 |
四 アメリカを代表する三人のフィランソロピスト | 100 |
五 『論語』の「忠恕」を欧米の「愛」になぞらえた渋沢 | 104 |
第五章 社会事業家としての渋沢栄一 : 四度にわたる訪米とフィランソロピストとの交流 / 渋沢田鶴子, 渋沢雅英 | 110 |
一 「民による民のための社会事業」への開眼 | 110 |
二 初めての訪米で受けた感銘 | 111 |
三 プログレッシブ(革新主義)時代のアメリカ : フィランソロピーが果たした重要な役割 | 115 |
四 渋沢とフィランソロピストの親交 | 119 |
第III部 近代日本における先駆的な福祉実践 : 前近代からの継承と模索 | [133] |
第六章 渋沢栄一と慈善・社会事業 : 真の公益とは / 山本浩史 | 135 |
一 慈善・社会事業における背景と道徳観 | 135 |
二 中央慈善協会設立に対する渋沢の思い | 138 |
三 恩賜財団済生会と「忠恕一貫」の思想 | 142 |
四 全日本方面委員連盟設立に向けて | 151 |
五 慈善・社会事業との出会いの意味 | 153 |
第七章 大原孫三郎との比較にみる渋沢栄一の福祉実践 : 「鳥の目」と「虫の目」 / 兼田麗子 | 158 |
一 福祉実践の先駆者・渋沢栄一と大原孫三郎 | 158 |
二 渋沢と大原の共通点 : 共存共栄のより善い社会をめざして | 161 |
三 渋沢と大原の相違点 : 「鳥の目」と「虫の目」 | 171 |
四 両者の福祉実践が現代に投げかけるもの | 175 |
コラム3 感恩講 : 民間福祉事業の先駆的存在 / 木村昌人 | 180 |
コラム4 備前・閑谷学校をめぐる人々と福祉事業 / 町泉寿郎 | 185 |
人名索引 | 1 |
事項索引 | 3 |
執筆者紹介 | 巻末 |
責任編集者紹介 | 巻末 |