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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 1907(明治40)年6月24日(月) (67歳) 『徳川慶喜公伝』編纂開始 【『渋沢栄一伝記資料』第27巻掲載】

是日より日本橋区兜町渋沢事務所楼上に編纂所を置き、著者栄一、顧問穂積陳重阪谷芳郎、校修者三上参次萩野由之、編纂主任萩野由之、立案者小林庄次郎及び記料蒐集者江間政発等の所員を以て徳川慶喜の伝記編纂を開始す。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代 明治六年−四十二年 / 2部 社会公共事業 / 5章 学術及ビ其他ノ文化事業 / 3節 編纂事業 / 1款 徳川慶喜公伝編纂 【第27巻 p.457-460】
・『渋沢栄一伝記資料』第27巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/27.html

竜門社の歩み : 青淵先生、想い続けて120年 : 企画展図録』(渋沢史料館, 2006.10)p.10には『徳川慶喜公伝』編纂について以下のように紹介されています。

[前略] 同書の編纂には、徳川慶喜の協力をうけながら、約10年の歳月を費やし、大正6年に完成しました。同書は本巻4巻、資料・索引4巻の全8巻で、竜門社が発行しました。同年11月、青淵先生は同書を大正2年にすでにこの世を去った徳川慶喜の墓前に献呈し、同7年3月18日には帝国ホテルで『徳川慶喜公伝』披露会が開催され、 [後略]

編纂所顧問の穂積陳重(ほづみ・のぶしげ、法学者。1855-1926)と阪谷芳郎(さかたに・よしろう、政治家。1863-1941)は、それぞれ渋沢栄一の女婿です。校修者の三上参次(みかみ・さんじ、1865-1939)は史学会創設にも参加し、後に貴族院議員となった歴史学者萩野由之(はぎの・よしゆき、1860-1924)は国文学者、歴史学者で、後に渋沢家同族会編纂所による青淵先生伝記編纂(関東大震災により中止)で主任をつとめています。また『渋沢栄一伝記資料』第27巻では江間政発(えま・せいはつ、1852-1916)は漢学者、小林庄次郎(こばやし・しょうじろう)は文学士として紹介されています。
なお『渋沢栄一伝記資料』別巻10 p.107には、徳川慶喜(とくがわ・よしのぶ、第15代将軍。1837-1913)の肖像、および『徳川慶喜公伝』の写真が掲載されています。
参考:徳川慶喜公傳 / 澁澤榮一著
〔NACSIS Webcat
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BN04686893