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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 1919(大正8)年7月2日 (79歳) 帝国森林会創立総会 【『渋沢栄一伝記資料』第54巻掲載】

是より先、本多静六、本邦林業の振興を目的とする当会の創立を企画し、栄一及び益田孝・武井守正に議る。栄一、其趣旨に賛同し、之が設立を援助す。是日、当会創立総会開かれ、十年二月八日付を以て財団法人の認可を受く。栄一、設立当初より会員となり、歿年に及ぶ。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 2部 実業・経済 / 5章 農・牧・林・水産業 / 1節 農・牧・林業 / 9款 農・牧・林業関係諸資料 / 3 財団法人帝国森林会 【第54巻 p.279-282】
・『渋沢栄一伝記資料』第54巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/54.html
渋沢栄一伝記資料』第54巻p.280-281には本多静六(ほんだ・せいろく、林学者。1866-1952)の談話が掲載されており、帝国森林会設立、および渋沢栄一との関わりが紹介されています。

本多静六談話筆記      (財団法人竜門社所蔵)
      昭和十三年七月十四日 於帝国森林会事務所 石川正義聴取
  帝国森林会について
 創立は大正八年で、私がひとりで計画したものです。最初にこの会のプランをつくつて相談したのが益田孝・武井守正男・渋沢さんの三人でした。大正八年のはじめです。[中略] 渋沢さんにも御相談して心よりの賛成を得ました。
 渋沢さんとは同郷であり、埼玉学生誘掖会のことで先づ御世話になつてをりまして、その頃この会では先生が会長、私が副会長と云ふ訳で、もう長い御交際を戴いてをりました。それでこの私の計画した森林会のことも早速御引受下さいまして、力を藉そうと云ふことになつたのです。[中略] 渋沢さんにも、皆さんと同じやうに一口金一千円だけ先づ出してもらひましたが、知名の財界諸名士を会員にあつめるには、どうしても渋沢さんの力なしには出来ないことでした。益田さん武井男も随分骨折つてくれましたが、顔の広い渋沢さんは殊の外色々と御尽力下さつて、当時財界・政界の諸名士を忽ちの内に会員にして十万円の会費をつくることが出来、この金でその年の七月帝国森林会を創立しました。ですから渋沢さんは単なる会員ではなくて、当会の発起人であり、生みの親とも云へる訳です。[後略]
(『渋沢栄一伝記資料』54巻p.280-281)

参考:質素を貫き育英事業を成功させた林学博士 本多静六
〔伝えたいふるさとの100話 - 地域活性化センター
http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/1_all/jirei/100furusato/html/furusato024.htm