是より先、アメリカ合衆国サン・フランシスコ商業会議所副会頭ロバート・エヌ・リンチ及び元ハワイ州知事ウォレス・ファーリントンより相前後して、太平洋沿岸実業家大会を開催せんがため、栄一に協力を希望し来る。是日栄一、日本経済聯盟会並に日本貿易協会に書翰を送り、我国の取るべき態度を諮問す。昭和七年五月、右大会サン・フランシスコに開かる。
出典：『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 1部 社会公共事業 / 3章 国際親善 / 7節 其他ノ資料 / 2款 日米関係諸資料 【第40巻 p.482-490】
・『渋沢栄一伝記資料』第40巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/40.html
1930（昭和5）年の夏、渋沢栄一のもとに、サンフランシスコ商業会議所のロバート・N・リンチ（Robert Newton Lynch）および元ハワイ州知事のウォレス・ファーリントン（Wallace Rider Farrington, 1871-1933）から、太平洋沿岸実業家大会を開催したいので協力してほしいとの要請が届きました。栄一はこの要請への対処について日米関係委員小委員会で協議、そこでは以下の結論に達しました（『渋沢栄一伝記資料』第35巻p.177）。
- 外務省の意向を通商局長にただす
- 栄一個人から、日本経済聯盟会・日本貿易協会、日本商工会議所の意見を求める
- それらを参考としてリンチ、ファーリントンに回答をする
『渋沢栄一伝記資料』第40巻p.482の綱文によれば、大会は栄一没後の1932（昭和7）年5月にサンフランシスコで開催されました。綱文に続くp.490までの本文には、リンチ、ファーリントンからの打診書簡、栄一からの日本経済聯盟会等への諮問書簡等、一連の記録が掲載・紹介されています。
