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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 1916(大正5)年11月26日 (76歳) 喜寿記念に『論語年譜』を贈られる 【『渋沢栄一伝記資料』第41巻掲載】

是日、竜門社は帝国ホテルに於て、第五十六回秋季総集会を兼ねて栄一の喜寿祝賀会を開催し、祝賀記念として栄一に「論語年譜」二巻二冊を贈る。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 1部 社会公共事業 / 4章 道徳・宗教 / 1節 儒教 / 16款 論語年譜ノ編纂 【第41巻 p.306】
・『渋沢栄一伝記資料』第41巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/41.html

渋沢栄一喜寿を記念し、竜門社は林泰輔(はやし・たいすけ、1854-1922。明治・大正時代の漢学者)に委嘱して『論語年譜』(大倉書店, 1916.11)を編纂しました。『渋沢栄一伝記資料』第41巻p.306-307には栄一の女婿で、当時竜門社評議委員会長だった阪谷芳郎(さかたに・よしろう、1863-1941)による『論語年譜』の序文が転載され、『論語年譜』の内容が次のように紹介されています。

    論語年譜序
[前略] 所謂論語年譜なるものは、論語の世に現はれし以来、和漢両国を初め其の他諸国に於て該書が如何に翻刻せられ、又た如何に解説せられたるか、或は又た該書の主義と精神とが政治・教育・実業及び其の他各般の問題の上に如何に応用せられたるかの事実を編年的に叙述し、以て一面に於ては論語研究者の為め従来未だ存せざりし斬新たる一種の参考資料を供給すると同時に、他面に於ては論語の精神と効用とを広く世に知らしむるの手段たらしめんとするを目的とするものなれば、青渊先生に於ても必ずや此の挙を嘉せらるべきを信じたるが為めなり、[中略]
 大正五年十一月
          竜門社評議員会長
            法学博士 男爵 阪谷芳郎謹識
(『渋沢栄一伝記資料』第41巻p.306-307)

参考:林泰輔と日本漢学(抜粋)
筑波大学附属図書館〕
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/exhibition/jyousetu/topic/hayashi.html