東京銀行集会所・東京交換所・銀行倶楽部連合して元帥陸軍大将大山巌、同伯爵野津道貫等を招待して晩餐会を開く。栄一出席挨拶を為す。
出典:『渋沢栄一伝記資料』 2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代 明治六年−四十二年 / 1部 実業・経済 / 1章 金融 / 1節 銀行 / 6款 択善会・東京銀行集会所 【第6巻 p.675-684】
・『渋沢栄一伝記資料』第6巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/06.html
1906(明治39)年12月19日、東京銀行集会所、東京交換所、銀行倶楽部の諸団体は合同で軍人を招待して晩餐会を開催しました。渋沢栄一は東京銀行集会所会長として晩餐会で演説をし、その中で軍事と経済について自らの考えを語り、その終盤で「更に一つ茲に申し上げて諸閣下の高評を請いたい」と前置きをし、軍人も商人も維新以来進歩してきているが、軍人は戦闘のみならず「全ての方向例えば兵站の処置より運送の事柄まで全て十分に」行き届いているのに対し、一方で商売人は商業道徳が進まず、不品行であると言われる。この進歩の差について栄一は、軍人は至誠を以て第一の根本とするのに対し、商売人は誠を根本とすることが十分に整っていない、この点について軍人に教えを請いたい、と述べています。
『渋沢栄一伝記資料』第6巻p.676-680には栄一による演説が、p.680-681には大山巖(おおやま・いわお、1842-1916)による答辞が、p.681-683には東京交換所委員長豊川良平(とよかわ・りょうへい、1852-1920)による挨拶の全文が『銀行通信録』第43巻第255号(1907.01.15)付録p.1-9からの転載として紹介されています。
参考:野津道貫(のづ・みちつら、1841-1908)
〔近代日本人の肖像 - 国立国会図書館〕
http://www.ndl.go.jp/portrait/datas/161.html