是日、渡米実業団一行シアトルに上陸す。船中にて歓迎式行はれ、栄一団長として声明書を発表す。
三日、シアトル商業会議所の主催にて渡米実業団歓迎晩餐会開かれ、席上栄一、歓迎の辞に対して答辞を述ぶ。
出典：『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 1部 社会公共事業 / 3章 国際親善 / 1節 外遊 / 1款 渡米実業団 【第32巻 p.83-95】
・『渋沢栄一伝記資料』第32巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/32.html
1909（明治42年）9月1日、渋沢栄一ら渡米実業団一行を乗せたミネソタ号は花火と楽隊演奏、そして大勢の市民の歓声に迎えられ、紅白の装飾が施されたスミスコーブ埠頭に着岸しました。
船内では招待主である聯合商業会議所長やシアトル市長はじめ百数十名の関係者による歓迎式が開催され、歓迎の辞と答礼演説が繰り返されました。演説の中で栄一は、親善と通商を増進させることによって、両国間を隔てる海洋を「接近せしむる」ことが実業団渡米の目的と述べています。
またこの日、栄一は実業団を代表し、新聞記者等に対して声明書を発表しました。これは言論を尊重する民主国であるアメリカの習慣を考慮し、実業団渡米の趣旨を言明するプレス対応のベースとして、栄一が上陸前日に在米領事等と相談のうえ作成したものでした。
一行は9月6日早朝にシアトルを発つまで、各種施設やイベント見学、歓迎会等で慌しく過ごしました。
参考：Japan Wants Only Peace
〔The New York Times - 1909年9月3日〕
http://query.nytimes.com/gst/abstract.html?res=9F02E3DA1F31E733A25750C0A96F9C946897D6CF
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