情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 企業史料を利用した新しいルイス・キャロル伝刊行

バークレイズ銀行アーカイブズの資料を利用したルイス・キャロル伝が刊行されました。伝記作家ジェニー・ウルフ(Jenny Woolf)による『ルイス・キャロルの謎』(原題:The Mystery of Lewis Carroll)です。
不思議の国のアリス』で知られるルイス・キャロルLewis Carroll, 1832-1898)は、アングリカン・チャーチの牧師であり学者でもありました。キャロルの子どもへの関わりに関しては、これまでさまざまな憶測がありました。今回著者はバークレイズ銀行アーカイブズに含まれるキャロル(本名:Charles Lutwidge Dodgson)の口座記録から、キャロルが虐待された児童や女性を保護する団体へ秘かに多額の寄付を行っており、それによってしばしば負債を抱えるほどであったことを明らかにしています。
バークレイズ銀行がキャロルの口座に関する記録を公開することを決定した理由は、この記録が百年以上前のものであり、かつ関係者が全員故人となったことによります。