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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの価値」 (2011年5月11日開催)

開催趣旨 / シンポジウム概要 / プログラム / Ustream / 関連情報 / リンク / 更新情報

2011.05.12
渋沢栄一記念財団では、2011年5月11日(水)に、企業史料協議会および国際文書館評議会ビジネス労働部会(ICASBL)と共催で、国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの価値」を開催いたしました。たくさんのご来場、誠にありがとうございました。
シンポジウムの内容については、実業史研究情報センターのウェブサイト、およびこのブログでお知らせしております。

開催日 : 2011年5月11日(水)
時間 : 午前9時30分〜午後5時30分
     終了後懇親会有(希望者のみ)
会場 : 国際文化会館講堂
     〒106‐0032 東京都港区六本木5‐11‐16 財団法人国際文化会館
              → Googleマップ
主催 : 公益財団法人渋沢栄一記念財団
     企業史料協議会
     国際文書館評議会ビジネス労働部会(ICA/SBL)
技術支援 : アカデミック・リソース・ガイド株式会社
対象 : 企業史料関係者、実務家、研究者、学生など
内容 : ビジネス・アーカイブズの持つ(経営的、歴史的、学術的など)多元的な価値を明らかにし、その価値を引き出すための政策、所属組織における最新の取り組みについて報告
後援 : 日本経団連東京商工会議所独立行政法人国立公文書館、日本アーカイブズ学会、記録管理学会、ARMAインターナショナル東京支部、全国歴史資料保存利用機関連絡協議会、専門図書館協議会
言語 : 日英同時通訳付き
参加費 : 会議:無料  懇親会:3,000円
申込方法 : 2011年4月4日(月)よりメールにて申込受付、先着100名
*定員に達したため、申込は締め切らせていただきました。(2011.05.09)

国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの価値」ちらし日本語版 国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの価値」ちらし英語版
→ ちらしのダウンロード:日本語版(PDF 798KB)/英語版(PDF 1,027KB)
 

開催趣旨

 今日、企業資料(ビジネス・アーカイブズ)は社史編纂や歴史研究の基礎資料という位置づけを超えて、企業経営に積極的に貢献するものであるという認識が世界的にも広まりつつあります。ビジネス・アーカイブズが企業経営やCSRに積極的に貢献するための提案活動に活用されているからです。国際文書館評議会(ICA)やアメリカ・アーキビスト協会(SAA)などの国際的な団体は、このようなアーカイブズ運営方法について、「ベスト・プラクティス」を特定する試みに取り組んでいます。一方、企業資料目録と企業資料機関のデータベース化に早くから取り組んできたイギリスでは、国立公文書館が企業資料を国民的遺産と位置付けて、これを保存・活用するための国民的な戦略を策定する取り組みが開始されました。
 日本における企業の記録や資料の保存と活用に対する関心は、1981年に企業史料協議会が結成されて以降、過去30年間にわたって徐々に高まってきました。しかし、企業の記録や資料はその重要性にもかかわらず、わが国ではこれまで社史編纂の基礎資料といった位置づけを大きく超えることはありませんでした。また企業資料に関する情報が当該組織以外で共有されていないために、いったん企業が業績悪化や買収、倒産などの組織状況の変化にさらされると、廃棄や散逸の危機に容易に陥りました。経済が困難に直面している現在、このような状況は一層顕著になっています。企業活動がグローバル化し社会的に重要性を増した状況において、企業資料の活用は重要な課題ですが、企業自身の認識は依然として低いといわざるをえません。
 企業のプレゼンスがかつてなく増大し、国の経済のみならず市民の日々の生活を左右している今日の世界にあって、適切に管理された企業の記録は、その企業自身の活動を律し、企業活動自体が社会的に評価される可能性を開くものです。企業資料の価値を引き出す、世界の「ベスト・プラクティス」を学びつつ、実際にどのように企業資料の活用が行われているのか、また企業資料にはどんな価値があり、どのように企業活動および社会貢献に活用しうるのか、内外の関係者とともに考える機会を創出したいと考えます。企業資料活用において世界をリードする活動を行っている国際アーカイブズ評議会(ICA)企業・労働部会(SBL)運営委員会東京開催を機に、日本の関係者を交えて議論します。
 ビジネス・アーカイブズには、組織体のガバナンスの記憶をつかさどる機能があることから、活用の方途はさまざまな組織に応用可能です。企業に関わらず政府、自治体、大学、その他あらゆる組織にとっても示唆を与える議論が期待できます。
 目的は以下の5点です。

  1. ビジネス・アーカイブズ(企業資料)の経営的価値および公共的な使命と重要性に関する認識を国内外の関係者(産業界、アーカイブズ・図書館・博物館などの専門家)および一般に広め、
  2. ビジネス・アーカイブズに関する実務上の最新の知識を共有し、
  3. それを通じて企業のアカウンタビリティ向上と社会的責任に対する企業資料部門の貢献度を高め、
  4. この分野における日本の状況について世界的リーダーの理解を深め、
  5. ビジネス・アーカイブズとアーキビストに携わる関係者の国際的な人的交流を盛んにする。
     

シンポジウム概要

 シンポジウムのテーマは「ビジネス・アーカイブズの価値」です。企業アーカイブズは企業経営に貢献する知的経営資源であり、社会的、経済的、証拠的、学術的価値をもつ資料として、企業の社会的責任(CSR)活動に不可欠です。本シンポジウムでは企業アーカイブズの持つ多様な価値を明らかにするとともに、アーカイブズの管理活用に関わる国際的な最新動向を紹介します。
 発表者は企業史料管理に関する豊富な経験を持つ、国際アーカイブズ評議会企業労働アーカイブズ部会運営委員と日本を代表する企業アーキビストの方々です。
 本シンポジウムでの議論は、「企業(会社)」を「組織」に置き換えることによって、政府、自治体、大学その他あらゆる組織の運営に大きな示唆を与えるでしょう。
 

プログラム (2011年5月11日、国際文化会館講堂)

9:30- 開会
10:00-  第1セッション : 歴史マーケティングの力 - 1
発表者所属発表タイトル
ヘニング・モーゲンA.P.モラー・マースク社(デンマークより広い見方:今日のコミュニケーションを歴史的事実で支える
ディディエ・ボンデュサンゴバン社(フランス)会社の記憶:経営のツール、サンゴバン社の例
     休憩
11:10-  第2セッション : 歴史マーケティングの力 - 2
発表者所属発表タイトル
青木直己(あおき なおみ)株式会社虎屋(日本)日本の伝統産業とアーカイブズ:虎屋を中心に
クラウディア・オーランドアンサルド財団(イタリア)アンサルド財団:アーカイブズ、トレーニング、そして文化
     昼食
13:30-  第3セッション : 企業史料とナショナル・ストラテジー
発表者所属発表タイトル
王嵐(ワン・ラン)中国国家档案局(中国)資産概念の導入と中国における企業記録管理へのその効果
アレックス・リッチー英国国立公文書館(英国)ビジネス・アーカイブズのためのナショナル・ストラテジーイングランドウェールズ
     休憩
14:35-  第4セッション : アーカイブズを武器に変化に立ち向かう
発表者所属発表タイトル
ベッキー・ハグランド・タウジークラフト社(米国)誇り:買収・統合後における歴史物語の重要性
ヴルンダ・パターレゴドレージ社(インド)企業という設定のなかで歴史を形づくる:ゴドレージ社のシナリオ
フランチェスカピノインテサ・サンパウロ銀行(イタリア)合併の波の後で:変化への対応とインテサ・サンパウロ・グループ・アーカイブズの設立
     休憩
16:10-  第5セッション : パネル・ディスカッション
司会:松崎裕子(まつざき ゆうこ) (渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター企業史料担当、ICASBL委員)
17:30 終了
 

Ustreamによる生中継

本シンポジウムでは、アカデミック・リソース・ガイド株式会社様(http://www.arg.ne.jp/)の技術支援により、動画配信サービス「Ustream」を通じて生中継を行います。

シンポジウムのハッシュタグ#icasbl をお使いください。
 

関連情報 (2011.05.09更新)

リンク (2013.01.25更新)

下記のサイトにおきましては、国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの価値」の開催についてご紹介をいただいております。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

更新情報

  • 2011.01.28:「関連情報」に「[栄一関連文献] 『青淵』第743号(2011.02)」を追加
  • 2011.02.02:「関連情報」にシンポジウムちらし作成に関するブログ・エントリーとちらし画像などを追加
  • 2011.02.03:「シンポジウム概要」「プログラム」を追加
  • 2011.02.16:開催内容(主催者の追加等)、開催趣旨などを改訂
  • 2011.02.25:「関連情報」に「ICASBL国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの価値」を5月に開催」を追加
  • 2011.02.25:シンポジウムちらし(英語版)を追加
  • 2011.03.03:「リンク」にICAのウェブサイトを追加
  • 2011.03.11:「リンク」にカレントアウェアネス・ポータルを追加
  • 2011.03.12:「リンク」にSENTOKYOブログを追加
  • 2011.03.17:「リンク」にSENTOKYOブログを追加
  • 2011.03.25:「リンク」にメールマガジン・SENTOKYOを追加
  • 2011.04.05:「リンク」に東商イベントカレンダー、日本アーカイブズ学会、企業史料協議会を追加
  • 2011.04.05:「関連情報」に参加申込受付開始に関するエントリーを追加
  • 2011.04.06:「リンク」にACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)を追加
  • 2011.04.25:「リンク」にDaily Searchivistを追加
  • 2011.04.26:「リンク」に日本のアーキビスト blog版(2011.04.25)を追加
  • 2011.05.06:「プログラム」を更新
  • 2011.05.07:「リンク」にライブラリー/アーカイブズ/ドキュメンテーション自習室を追加
  • 2011.05.09:「Ustreamによる生中継」を追加
  • 2011.05.09:「関連情報」にプログラムとUstreamに関するエントリーを追加
  • 2011.05.12:シンポジウム終了のお知らせを掲載
  • 2011.05.16:「リンク」にTogetterによるまとめを追加
  • 2011.05.22:「リンク」にACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)を追加
  • 2011.06.01:「リンク」にICArchivesのページを追加
  • 2012.11.22:「リンク」に「ビジネス・アーカイブズをめぐる一考察」を追加
  • 2013.01.25:「リンク」に「見直される着物」を追加