是より先、栄一の銅像建設、伝記の編纂刊行及び曖依村荘保存の援助等を行ふため、新たに財団法人創設の議進められ、是日、当会の設立認可せらる。郷誠之助理事長となり、大橋新太郎及び佐々木勇之助常務理事となる。
出典:『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 3部 身辺 / 14章 記念事業 / 1 財団法人渋沢青淵翁記念会ノ事業 【第57巻 p.825-831】
渋沢青淵翁記念会とは、「渋沢青淵翁ノ偉業及徳風ヲ追慕顕彰」を目的に、郷誠之助を理事長に、大橋新太郎、佐々木勇之助を常務理事として1933(昭和8)年1月12日に設立された団体です。記念会の事業としては、渋沢栄一の銅像建設、伝記編纂刊行のほか、栄一がその遺志実現のために竜門社に託した曖依村荘(あいいそんそう)の保存を援助すること等がその寄附行為に掲げられました。
(財団法人渋沢青淵翁記念会)創立ニ関スル書類
(渋沢子爵家所蔵)
[前略]
財団法人渋沢青淵翁記念会寄附行為 (昭和八年一月十二日設立許可)
第一章 名称及事務所
第一条 本会ハ財団法人渋沢青淵翁記念会ト称ス
第二条 本会ハ事務所ヲ東京市滝野川区西ケ原町千三十六番地ニ置ク
第二章 目的及事業
第三条 本会ハ渋沢青淵翁ノ偉業及徳風ヲ追慕顕彰スルヲ目的トス
第四条 本会ハ前条ノ目的ヲ達スル為メ左ノ事業ヲ行フモノトス
一、青淵翁ノ銅像ヲ建設スルコト
二、青淵翁ノ伝記ヲ編纂刊行スルコト
三、曖依村荘ノ保存ヲ援助スルコト
四、其ノ他本会ノ目的ヲ達スルニ適当ナル社会公益ノ施設ヲナスコト
[中略]
第二十九条 本会設立当初ノ理事及監事ハ左ノ通リトス(略)
[後略]
(『渋沢栄一伝記資料』第57巻p.828-829掲載)
1946(昭和21)年、記念会は竜門社と合併して財団法人渋沢青淵記念財団竜門社となり、現在の公益財団法人渋沢栄一記念財団に継承されています。
参考:渋沢栄一記念財団の沿革
〔渋沢栄一記念財団 財団概要〕
http://www.shibusawa.or.jp/outline/history.html
更新履歴
2020.07.28:誤記を修正