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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 1929(昭和4)年3月20日(水)(89歳) 渋沢栄一、フランス元帥フォッシュ逝去に際し、木島孝蔵を代理人としてフランス大使に弔意を示す 【『渋沢栄一伝記資料』第36巻掲載】

是日、フランス共和国元帥フォッシュ逝去す。仍て栄一、当会館理事木島孝蔵を代理として、同国大使を弔訪せしむ。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 1部 社会公共事業 / 3章 国際親善 / 3節 国際団体及ビ親善事業 / 12款 財団法人日仏会館 【第36巻 p.355-356】

東京朝日新聞 第一五三九九頁 昭和四年三月二二日
    欧洲大戦の名将フオッシュ元帥逝く
      二ケ月間重態をもち続けて、昨夕にはかに革る
〔パリ聯合廿日発〕本年一月中頃から腎臓病にかゝり、しばしば危篤を伝へられたフオッシュ元帥は、今夕病にはかに革まり同五時四十五分遂に逝去した、行年七十八歳 ○下略
『渋沢栄一伝記資料』第36巻p.355-356)

フランスのフォッシュ元帥(Ferdinand Foch、1851-1929)他界に際し、日仏会館常務理事の木島孝蔵(きじま・こうぞう、?-1934)は、理事長渋沢栄一の代理としてフランス大使を訪問、栄一の名刺を届けて弔意を示しています。

日仏会館書類(三)           (渋沢子爵家所蔵)
拝啓
フォッシ元帥薨去に対し、日仏会館理事長代理として、子爵の御名刺頂戴仏国大使弔訪致置候処、早速答礼を受け候に付、即ち同大使名刺別紙○略ス転送致候間、子爵へ御進達願上候 敬具
  三月廿五日 ○昭和四年          木島孝蔵
    白石喜太郎殿
(『渋沢栄一伝記資料』第36巻p.355)

木島はリヨン駐剳領事も務めた外交官で、日仏会館設立時には実行委員の一人に、開館後は常務理事となり、栄一のフランス語の通訳なども務めた人物です。木島の名は『渋沢栄一伝記資料』本編中だけでなく、別巻第1第2に掲載された栄一の日記中にも多数出現しています。
参考:日仏会館誕生前史--リヨンと日本の知られざる文化交流 / 藤原貞朗
(『青淵』(渋沢栄一記念財団, 2009.11)p.20-23掲載)
国立国会図書館 NDL-OPAC(雑誌記事索引 詳細表示)〕
http://opac.ndl.go.jp/articleid/10475430/jpn