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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 『帝国ホテル百年史』 【帝国ホテル, 1990】

会社名

株式会社帝国ホテル [Kabushiki Kaisha Teikoku Hoteru]
Imperial Hotel, Ltd.

書誌事項

帝国ホテル百年史 : 1890-1990 / 帝国ホテル編
 東京 : 帝国ホテル, 1990.11
 1012p, 図版14枚 ; 27cm
 Title in romaji: Teikoku Hoteru 100-nenshi

外部機関の所蔵データほか

NDL-OPAC / Webcat / 神奈川県立川崎図書館 / Worldcat 1,2 / NDL Search (β) / Webcat Plus 1,2 / Googleブックス 1,2

関東大震災」(1923年9月1日)に関する本文の概要 (p244-255)

  • ライト設計の新しい建物が完成したばかりの帝国ホテルでは、9月1日午後に新館落成の開館披露を盛大に挙行する準備中に地震に襲われた。
  • 帝国ホテルの震害は亀裂が各所に見られる程度で、これは建物の階数が地上5階と少なく壁が厚く安定していたこと、基礎の構造が不完全なことがかえって建物に及ぼす震力を軽減したことによる(土木学会の報告書による)。
  • 動力は全て電力を利用していたので、地震直後に従業員は電源のメインスイッチを切り、犬丸支配人は調理場に駆けつけ加熱中の油の大鍋の始末を命じた。周囲の火災からの延焼を防ぐため窓のシャッターを全て降ろし、宿泊客も加わって防火作業にあたった。
  • 翌日から被災市民を受け入れ、客室を被災会社や英米大使館の事務所に提供し、現金を確保して無料での食糧供給にも務めた。従業員の罹災状況を調査し罹災家族はホテル敷地内に収容して食事を支給、献身的働きをした従業員には手当てを支給し敬意を表した。

目次にあらわれた「関東大震災」関連事項

項目ページ
沿革編 / 第3章 ライト館の時代始まる / 第1節 ライト館ついに落成 / 3. 関東大震災244
   東京、横浜の壊滅244
   帝国ホテルの震害246
   従業員の活躍248
   社会への奉仕250

索引にあらわれた「関東大震災」関連事項

項目ページ索引種別
関東大震災65;162;192;229;244;245;246;247;248;250;251;252;253;255;270;274;277;279;287;306;346;361;647;764一般事項

年表にあらわれた「関東大震災」関連事項

年月日内容年表種別
1923(大正12)年8月末新ホテル(ライト館)全館落成(鉄筋コンクリートおよび煉瓦コンクリート構造、地上5層・地下1層、延床面積1万535坪、客室数270室)当社事項
1923(大正12)年9月1日新館落成披露準備中に関東大地震発生(新館は被害をまぬがれるも、別館は復旧困難となり取壊し)当社事項
1923(大正12)年9月1日関東大震災(マグニチュード7.9、死者9万1,344人、全壊焼失家屋46万4,909戸)業界・一般事項
1923(大正12)年9月2日米、英、仏、伊などの大使館、朝日新聞社国民新聞社、電通、万朝報、神戸新聞などの事務所として客室を提供当社事項
1923(大正12)年9月3日大倉組、王子製紙、三ッ引商事、東京電灯、八山採炭、京浜電力、共同火災保険、改造社、日本電報、泰昌銀行、高田商事などの事務所として客室を提供当社事項
1923(大正12)年9月7日支払猶予令公布(9.1から30日間モラトリアム実施)業界・一般事項
1923(大正12)年10月1日日米協会、米国救護団の救援活動に感謝し、午餐会を開催当社事項
1923(大正12)年10月19日震災で焼失した帝国劇場に演芸場を無料で提供当社事項
1924(大正13)年1月31日犬丸徹三、震災時の勲功により英国王よリメンバーブティッシュエンパイヤ勲章を授与される当社事項
1924(大正13)年1月震災以降中止していたダンスパーティ再開当社事項
1924(大正13)年7月3日犬丸徹三、震災時の勲功によりフランス政府よリオフイシエー・ドラゴン・ド・ランナン勲章を授与される当社事項
1924(大正13)年9月1日犬丸徹三、震災時の勲功により警視総監より感謝状を受ける当社事項
1924(大正13)年震災後、京浜地方のホテル、大旅館の復旧遅れる業界・一般事項
1927(昭和2)年7月犬丸徹三、関東大震災の勲功によりイタリア皇帝よリガヴリエー宝冠章に叙せられる当社事項

「社史紹介」へのリンク