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 【宮城】 第七十七国立銀行 - 渋沢栄一、第七十七国立銀行の創立を支援 【『渋沢栄一伝記資料』第5巻掲載】

1878(明治11)年10月(?) [38歳]
是より先、明治十一年二月、第七十七国立銀行創立発起人総代二人上京して栄一に会見し、銀行設立に関し指導を受けたりしが、是月栄一、渋沢喜作と共に仙台に到り、第七十七国立銀行の創立を指導し、株主と為る。同年十月十七日同行創立総会を開き、同年十一月七日開業免状を下付せられ、十二月九日を以て開業せり。以後本行の発展に尽力する所多し。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代 明治六年−四十二年 / 1部 実業・経済 / 1章 金融 / 1節 銀行 / 4款 国立銀行及ビ普通銀行 / 7 第七十七国立銀行 【第5巻 p.294-306】

第七十七(しちじゅうしち)国立銀行は仙台を本社として1878(明治11)年に開業した銀行です。
1878(明治11)年2月、第七十七国立銀行創立発起人総代らは上京して渋沢栄一に会い、銀行設立に関する指導を受けました。同年10月に、栄一は旅行の途次で従兄弟の渋沢喜作(しぶさわ・きさく、1838-1912)とともに開業前の同行に立ち寄り、現地で銀行設立を指導。その後も株主として出資するなど、同行の創立を物心両面から支援しました。開業後も栄一の支援は続き、1909(明治42)年には相談役に就任しています。
また東北地方の発展に心を砕いていた栄一は、1917(大正6)年10月に東北振興会会長として北陸・東北六県を18日間かけて巡回、「国の繁栄には地方の振興が欠かせない」「地方振興には現地の奮起努力が不可欠」等、発奮を促す講演を各地で行っています。仙台の講演では七十七銀行との縁を回顧しつつ「銀行の発展は実業の隆盛があってこそ」と自らの考えを語り、講演後には同行を訪れて訓話を述べ、行員を激励しました。
後に第七十七国立銀行は普通銀行への改組で七十七銀行に名称を変更しますが、今日でも同行の企業理念「行是」には「銀行の発展は地域社会の繁栄とともに」との一文を見ることができます。

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