情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 ICAビジネス・アーカイブズ国際セミナー(2012.04.16-17 コペンハーゲン) - 「ビジネス・アーカイブズ通信」No.36より

 国際アーカイブズ評議会企業労働アーカイブズ部会(ICA/SBL)はビジネス・アーカイブズの国際的なコミュニティのために、専門的で今日的な意味を持つ国際的な会合の世話役を務めています。今年度のビジネス・アーカイブズ国際セミナーは、デンマークコペンハーゲン市内のA.P. モラー・マースク社本社で4月に開催されます。セミナーのテーマは「絶えず心を配る…21世紀のビジネス・アーキビスト」。セミナーの案内がICAサイトに掲載されています。

 ICA/SBL部会長ディディエ・ボンデュ―(サンゴバン社アーカイブズ・ディレクター)から以下のようなメッセージが寄せられています。

 「2010年からSBLはアーカイブズ管理に関する経験を共有することを目的とした会合を開催しています。2010年のフランス・ブロワでの『会社の記憶、経営に奉仕するツール』、2011年の日本・東京での『ビジネス・アーカイブズの価値』に続き、2012年4月にはデンマークコペンハーゲンにおいて『21世紀初頭におけるビジネス・アーキビストの役割』が行われます。
 これらすべての活動の目的は、企業経営におけるアーカイブズ機能を不断に強化して、アーカイブズを管理する人々が専門的な経験を重ねることにあります。SBLはみなさま方をコペンハーゲンで歓迎し、そして国際的なネットワークへの参加にご招待します」

 2日間の日程のセミナーは「経営戦略全体のなかのアーカイブズ」「合併と投資撤収」「組織」「最新のビジネス:一つの事例」「アーカイブズにおける持続可能性」「電子記録管理」の6つのテーマでセッションが構成され、全部で18の発表が予定されています。

セミナー会場

A.P. Møller - Mærsk
50 Esplanaden
DK 1098 Copenhagen K

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日程

セミナー1日目 2012年4月16日(月)
  • 08.15-09.00 登録
     
  • 09.00-09.15 歓迎・事務 Welcome, practicalities
     
  • 09.15-10.30
  • 「経営戦略全体のなかのアーカイブズ」セッション The archives in the general management strategies
  • 「合併と投資撤収」セッション Mergers & divestments
    • 発表タイトル:マルチ・アーカイブズ、複数の速度、そして複数の目標:銀行グループアーカイブズにおけるチームワーク
      タイトル原文:Multi-archives, multi-speed and multi-goals: team working in a banking group archive
      発表者:フランチェスカピノ
      発表者名原文:Francesca Pino
      発表者所属等:インテーザ・サンパオロ銀行グループアーカイブズ長(ミラノ、イタリア)
      所属等原文:Head of Intesa San Paolo Group Archives, Milan, Italy
      概要:複合的なアーカイブズをどのように管理するか。実効性管理と組み合わされた創造性とイノベーションといった実務のための技能の要件を考える。目標は共通であっても、グループを構成する個々のアーカイブズの地場の製品、サービス、歴史的価値によって、その目標は異なった方法によって達成される。
       
  • 10.30-11.00 休憩
     
  • 11.00-12.15
  • 「合併と投資撤収」セッション(続き) Mergers & divestments
    • 発表タイトル:会社の終焉を記録する:オデンセ鉄鋼造船所 1918年〜2011年
      タイトル原文:Documenting a closing company: The Odense Steel Shipyard 1918-2011
      発表者:ルネ・S・クリステンセン
      発表者名原文:Rene S. Christensen
      発表者所属等:オデンセ市博物館(デンマーク
      所属等原文:MA, Odense City Museums, Denmark
      概要:大規模製造業企業における物理的構造物(建物、埠頭、インフラ、居住施設)、作業過程、そして社会的交流の歴史の記録化について。
       
    • 発表タイトル:歴史が違いを生む:マルチブランドを有する世界的な存在におけるブランドの歴史
      タイトル原文:History makes the difference: brand history within a multi-brand global player
      発表者:ウルリケ・グツマン博士
      発表者名原文:Dr. Ulrike Gutzmann
      発表者所属等:フォルクスワーゲン社企業歴史部(ドイツ)
      所属等原文:Corporate History Department, Volkswagen AG, Germany
      概要:フォルクスワーゲンは今日、7つの国に起源を遡る10の自動車ブランドの集まりである。どのブランドもそれぞれのルーツに深く結びついている。各ブランドはそのブランドの歴史を責任を持って扱うが、それらはすべてが一つのグループを形成しているが故に、共通の歴史も紡いでいる。発表ではそれぞれのブランドが独自キャラクターを保持しつつ、全体が一つのグループとして発展しつつある過程について述べる。
       
  • 12.15-13.15 昼食
     
  • 13.15-14.30
  • 「合併と投資撤収」セッション(続き) Mergers & divestments
    • 発表タイトル:5つがひとつになる:エボニーク・インダストリーズ社の企業アーカイブズの発展
      タイトル原文:Five become one: the development of Evonik Industries' corporate archives
      発表者:アンドレア・ホーマイヤー博士
      発表者名原文:Dr. Andrea Hohmeyer
      発表者所属等:エボニーク・インダストリーズ社アーカイブズ長(ドイツ)
      所属等原文:Head of Corporate Archives of Evonik Industries AG, Germany
      概要:この発表ではドイツの3つの化学会社の合併がエボニーク・インダストリーズ社アーカイブズの構造と生産性にどのような影響を与えたのか、また1999年以来5つのとても異なった構成のアーカイブズが、いかにして一つの会社の業務基盤を形成するように統合されてきたのかを示す。
       
  • 「組織」セッション Organisation
    • 発表タイトル:虹を追いかけて(不可能なことを追及して):グローバル市場におけるアーカイブ
      タイトル原文:Chasing rainbows: archives in a global market
      発表者:ティナ・ステイプルズ
      発表者名原文:Tina Staples
      発表者所属等:HSBC香港上海銀行アーカイブズ・グローバル部長、イギリス
      所属等原文Global Head of Archives, HSBC, United Kingdom
      概要:この発表では、HSBCアーカイブズのサービス対象を多国籍企業全体に広げる際の課題、機会、戦略の経験を取り上げる。
       
  • 14.30-14.45 休憩
     
  • 14.45-16.00
  • 「組織」セッション(続き) Organisation
    • 発表タイトル:新しい専門職:記憶管理人
      タイトル原文:A new profession: the Memory Manager
      発表者:ディディエ・ボンデュー
      発表者名原文:Didier Bondue
      発表者所属等:サンゴバン社アーカイブズ・ディレクター、ICA/SBL部会長
      所属等原文:Director, Saint-Gobain Archives, France and Chair of SBL/ICA
      概要:持続可能な発展においてカギとなる課題に対する企業の貢献は、経営プロセスの中に新しい概念を生み出した。すなわち「企業の社会的責任」(CSR)である。この点に関して、企業の記憶管理は、アーカイブズを発展させ管理する新たな好機を意味している。これは新しい専門職、すなわち記憶管理者(Memory Manager)の出現によって後押しされるのである。
       
  • 「最新ビジネス:一つの事例」セッション Current business: a practical case
    • 発表タイトル:レゴ・アイディアハウス
      タイトル原文:The LEGO Idea House
      発表者:ティーヌ・フロベルク・モルテンセン
      発表者名原文:Tine Froberg Mortensen
      発表者所属等:レゴ・システム社レコードマネジャー(デンマーク
      所属等原文:Records Manager, LEGO System A/S, Denmark
      概要:レゴ・アイディアハウスの目的は、レゴ社の真のアイデンティティー、文化、価値に関する十全な理解を支え、さらに広げることにある。レゴ・ブランドの強みは過去と現在によって作られており、レゴ・アイディアハウスはレゴ・グループを将来に向かって備えあるものとし、力づけるために、過去と現在を保存している。
       
  • 16.00-16.15 「まとめ・事務」 Conclusions, practicalities
     
  • 18.30-21.15 セミナー夕食会
    会場:VKR-Holding/VELUX社社内ミュージアム
     
セミナー2日目 2012年4月17日(火)
  • 08.15-09.00 登録
     
  • 09.00-09.15 歓迎・事務 Welcome, practicalities
     
  • 09.15-10.30
  • アーカイブズにおける持続可能性」セッション Sustainability in the archives
    • 発表タイトル:A.P. モラー・マースク社における持続可能性:明日の経済を今日作る
      タイトル原文:Sustainability in A.P. Moller - Maersk: building tomorrow’s economies, today
      発表者:レネ・セルパ
      発表者名原文:Lene Serpa
      発表者所属等:A.P. モラー・マースク社グループサステナビリティ部(デンマーク
      所属等原文:Group Sustainability, A.P. Moller - Maersk, Denmark
      概要:企業にとって新たな持続可能性のテーマを形作っている主要な世界的動向に関して紹介する。発表では持続可能性がなぜマースク社にとって関係があるのか、またわれわれが持続可能性を自分たちのビジネスにどのように組み込み、持続可能性をどのように競争上の優位性としているのかを示す。
       
    • 発表タイトル:そろそろ止めますか?:BS5454:2012
      タイトル原文:Can we switch it off now? : BS5454:2012
      発表者:クリス・ウッズ
      発表者名原文:Chris Woods
      発表者所属等:ナショナル・コンサベーション・サービス社ディレクター、イギリス規格協会BS5454委員会IDT02/09部会部会長(イギリス)
      所属等原文:Director, National Conservation Service and Chairman, BS IDT/02/09-PD5454, United Kingdom
      概要:広く知られたBS5454(「歴史的長期保存文書の保管と展示のために推奨される英国標準」)は見直しの結果、新しいバージョンでは根本的な変更が加えられることになっている。その要因はエネルギーの持続可能性という点にある。新バージョンは、アーカイブズの保存を再び中心に置いたもので、リスク関連の解決方法へのアプローチを提供し、低エネルギーによる解決方法を促進するものとなっている。
      *[編集者注] BS5454とはBritish Standard recommendations for storage andexhibition of archival documents BS5454(「歴史的長期保存文書の保管と展示のために推奨される英国標準」)のことです。
       
  • 10.30-11.00 休憩
     
  • 11.00-12.15
  • アーカイブズにおける持続可能性」セッション(続き) Sustainability in the archives
    • 発表タイトル:新しい生活:革新的でパッシブなアーカイブズのデザイン
      タイトル原文:Pastures new: innovative passive archive design
      発表者:シャーロット・ベリー
      発表者名原文:Charlotte Berry
      発表者所属等:C&J社アルフレッド・ジレット財団アーキビスト(イギリス)
      所属等原文:Archivist, Alfred Gillett Trust (C & J Clark Ltd), United Kingdom
      概要:「持続可能性」は、C&J社のための新しいパッシブなアーカイブズ施設の背後にある中心的なデザイン概念である。環境に優しい屋根、最小限のメンテナンス、そしてBS5454規格準拠等を特徴とする。パッシブなデザイン原理を紹介し、新築にあたっての実際上の助言を行う予定。
      *[編集者注] 「パッシブなデザイン」とは、太陽や風などの自然エネルギーをできるだけ生かすような考え方や方法のことです。
       
  • 「電子記録管理」セッション Electronic records management
    • 発表タイトル:いかにして、よりよい記録によって貴社の業務を着実に改善するか
      タイトル原文:How to improve your business with better records step-by-step
      発表者:タイン・ウィアゾー
      発表者名原文:Tine Weirsoe
      発表者所属等:スカンジナビアン・インフォメーション・オーディット社業務執行社員MBAデンマーク
      所属等原文:MBA, Managing Partner, Scandinavian Information Audit, Denmark
      概要:ISO 15489 に関連する標準の系列は、2011年にISO 30300とISO 30301が加わり拡大した。この発表ではISO 30300に依拠した「よりよい記録」のための事例研究を報告する。
  • 12.15-13.15 昼食
     
  • 13.15-14.30
  • 「電子記録管理」セッション(続き) Electronic records management
    • 発表タイトル:デジタル記録管理ポリシー
      タイトル原文:The digital records management policy
      発表者:ジャン・マルク・リーチ
      発表者名原文:Jean Marc Rietch
      発表者所属等:フェディサ・アンテルナシオナル社社長(フランス)
      所属等原文:President, FEDISA INTERNATIONAL, France
      概要:電子文書記録管理システム(EDRMS)は業務ITシステムならびにITセキュリティポリシーと互いに影響し合っている。EDRMSの効率的な実現とモニターのためには一つのポリシーが必要である。
       
    • 発表タイトル:より小規模な寄贈者からのデジタル・アーカイブズのコレクション
      タイトル原文:Collection of digital archives from smaller donors
      発表者:ペーター・エーデルホルト
      発表者名原文:Peter Edelholt
      発表者所属等:ナショナル・ビジネス・アーカイブズ、プロジェクト・マネジャー(デンマーク
      所属等原文:Project Manager, The National Business Archives, Denmark
      概要:しばしば、より小規模な企業はデジタル情報を構造化されていないドライブに置きがちである。文書ならびに他のデジタル史料の保存と規格化を目的として資料を選別し、アーカイブズに簡単にアクセスするためのさまざまなソフトウェアツールが開発されてきた。
       
  • 14.30-14.45 休憩
     
  • 14.45-16.00
  • 「電子記録管理」セッション(続き) Electronic records management
    • 発表タイトル:記録管理標準の実際
      タイトル原文:Records Managements standards in practice
      発表者:アンキ・シュテーン
      発表者名原文:Anki Steen
      発表者所属等:LFV社(航空管制サービス)グループアーカイブズ・記録部門長(スウェーデン
      所属等原文:Head of Group Archives and Records, LFV (Air Navigation Services), Sweden
      概要:記録管理標準はいかに組織にとって有用か?標準化された記録管理をいかに実施し、同僚たちにどのように理解してもらい、願わくば利用してもらうか?
       
    • 発表タイトル:ITは少なく、もっとアーカイブ化を!
      タイトル原文:Less IT. More archiving!
      発表者:アレクサンダー・L・ビエリ
      発表者名原文:Alexander L. Bieri
      発表者所属等:F・ホフマン‐ラ・ロシュ社ロシュ歴史コレクション&アーカイブズ キュレーター(バーゼル、スイス)
      所属等原文:Curator the Roche Historical Collection and Archive, F.Hoffmann-La Roche Ltd, Basel, Switzerland
      概要:ロシュ社における世界規模の記録管理プロジェクトの成功のカギは実際的なアプローチの中に見出された。このアプローチは古典的な歴史的な資料のアーカイブ化から情報を与えられるものである。最初は懐疑的であったロシュ歴史コレクション&アーカイブズは現在このプロジェクトの重要な助言者になっている。
       
  • 16.00-16.15
  • 「まとめ・事務」 Conclusions, practicalities

参加申込みについて

参加ご希望の方は、下記のURLからお申込みください。
https://www.respoint.dk/itp/event/sbl_2012
なおログインするためのユーザーIDとパスワードは下記PDFの7ページに記載されているものをお使い下さい。