公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センターが事務局となり2010年秋以降本格的に準備態勢に入った国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの価値:企業史料活用の新たな潮流」は、今号でご紹介した『世界のビジネス・アーカイブズ : 企業価値の源泉』の刊行を以て、当センターの事業としてはひと段落しました。同書は、国際交流基金から助成を受けたシンポジウムの成果物です。
- 論文集『世界のビジネス・アーカイブズ』 (2012年3月16日発売予定)
〔実業史研究情報センター・ブログ 「情報の扉の、そのまた向こう」 - 2012年2月15日〕
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20120215/1329283710
- 国際シンポジウム「ビジネス・アーカイブズの価値」
〔渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター / 協力事業〕
http://www.shibusawa.or.jp/center/network/01_icasbl/Tokyo/01yokoku.html
シンポジウム開催予定日(2011年5月11日)のちょうど2ヵ月前に起きた東日本大震災は、直接の被災地のみなさまはもちろんのこと、さらに広範囲の人々の生活と考えに大きな影響を与え続けております。今年4月にデンマーク・コペンハーゲンで開催予定のICA/SBL国際セミナー「絶えず心を配る…21世紀のビジネス・アーキビスト」のキーワードの一つは「持続可能性(sustainability)」です。ビジネス・アーカイブズの持続可能性、企業組織の持続可能性、さらには社会全体の持続可能性とアーカイブズ、といったテーマの議論に、震災の経験あるいは震災を通じて得られたものの見方・考え方を織り込んでいくことが、これからのビジネス・アーカイブズの一つ課題であると考えます。
- ICAビジネス・アーカイブズ国際セミナー(2012.04.16-17 コペンハーゲン)
〔実業史研究情報センター・ブログ 「情報の扉の、そのまた向こう」 - 2012年3月3日〕
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20120303/1330739321
コペンハーゲンでのセミナーは、SBLのヨーロッパの運営委員、ディディエ・ボンデュー部会長(サンゴバン社、フランス)、ヘニング・モーゲン委員(A.P. モラー・マースク社、デンマーク)、アレックス・リッチー委員(イギリス国立公文書館)に加え、『世界のビジネス・アーカイブズ : 企業価値の源泉』に寄稿しているアレックス・ビエリ氏(ロシュ社、スイス)、アンドレア・ホーマイヤー博士(エボニック・インダストリーズ社、ドイツ)がプログラムの構成を担当したものです。各氏が所属する企業ならびに企業アーカイブズが間もなく日本のみなさまにも、新刊本によって詳しく紹介されます。
どうぞお楽しみに。