情報資源センター・ブログ

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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 ウェスチングハウス社 - 渡米実業団が訪問したピッツバーグの今昔 (3)

ウェスチングハウス / ウェスチングハウス・キャッスル

ウェスチングハウス

 1866年にジョージ・ウェスチングハウス(George Westinghouse, Jr., 1846-1914)によって設立されたウェスチングハウス電機会社(Westinghouse Electric Company)は、鉄道用のエア・ブレーキを手始めに発電機や家電製品、ラジオ、テレビ、エレベーター等を生産する米国の著名な総合電機メーカーとして発展しました。1980年代以降事業を次々売却し、1998年最後まで残った原子力部門を英国企業に売却(2006年東芝が買収)しました。
 今回訪問したのは東芝傘下のウェスチングハウス社です。ピッツバーグ市近郊の丘の上に2年前に建てられた巨大な本社ビルには、4,000人もの従業員がいるとのことでした。同社の歴史について説明を受けた後、自動車で30分ほどの創業地へ移動し、ウェスチングハウス・キャッスル(Westinghouse Castle)と呼ばれる博物館へご案内いただきました。

ウェスチングハウス・キャッスル

ウェスチングハウス・キャッスルのパンフレットより
ウェスチングハウス・キャッスル
のパンフレットより

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 パンフレットによるとこの石造りのキャッスルは1890年の建造で、創業期から1984年までウェスチングハウスエアブレーキ社(Westinghouse Airbrake Company)の本社として使われていました。内部に創業者と役員の執務室、いくつもの会議室、集会室、食堂など多様な施設がはいっていました。木材をふんだんに使ったぜいたくな内装でした。エレベーターはもちろんウェスチングハウス社製でした。
ウェスチングハウス・キャッスル 役員の執務室
役員の執務室
ウェスチングハウス・キャッスル 木製の階段
木製の階段
ウェスチングハウス・キャッスル 食堂
食堂
 渋沢栄一ウェスチングハウス社の工場見学の後、おそらくこのキャッスルで開かれた晩餐会に出席したものと思われます。現在は博物館として会社のかつての製品や鉄道模型などを展示するとともに、地域に開放してコミュニティのための施設となっているそうです。建物の前後には創業者や役員達の家があったとのことで、社宅の建物はまだ隣地にありました。近くにある広大な工場(現在は別会社)も外側から見ることができました。(2012.03.20訪問)
ウェスチングハウス・キャッスル エレベーター内のボタン
エレベーター内のボタン
ウェスチングハウス・キャッスル かつての製品展示
かつての製品展示
ウェスチングハウス・キャッスル 鉄道模型の展示
鉄道模型の展示

参考リンク