情報資源センター・ブログ

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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 カーネギー館 - 渡米実業団が訪問したピッツバーグの今昔 (4)

カーネギー館 / ピッツバーグ・カーネギー図書館(本館)

カーネギー館

 1909年11月5日渋沢栄一は晩餐会のあと、カーネギー・インスティテュートで開催された音楽会に臨席しています。カーネギー館とも訳されたこの建物はピッツバーグ東部のオークランドに1895年に建てられたもので、周りはカーネギー・メロン大学ピッツバーグ大学のキャンパスが広がる文教地区です。

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 カーネギー館は博物館・音楽堂・図書館の3つの施設がひとつづきになっている巨大なものでした。栄一が観賞した音楽堂のホールはまばゆいばかりの豪華な造りで、舞台にはパイプオルガンも設置されていました。隣の博物館は自然史博物館と美術館の部門があり、あいにく休館日で詳細は見ることができませんでしたが、壮麗な入り口部分からだけでもカーネギーの偉大な構想がうかがえました。

カーネギー館 音楽堂
音楽堂 正面玄関
カーネギー館 音楽堂
音楽堂 ホール客席
カーネギー館 音楽堂
音楽堂 ホワイエ
カーネギー館 博物館
音楽堂左隣にある
博物館正面口
カーネギー館 博物館
博物館 2階への階段
カーネギー館 美術館
建物裏手の博物館
へのモダンな入り口

ピッツバーグ・カーネギー図書館(本館)

 アンドリュー・カーネギーは事業を売却した4億ドルのうち、3億5千万ドルを社会事業に使いました。そして米国はじめ英語圏に2,509もの公共図書館を作ったのでした。1895年にピッツバーグ市民のために設立されたカーネギー図書館は、現在本館と19の分館があり、ビジネス支援や障害者サービスを含め様々なサービスを行っています。今回訪問したのは博物館と音楽堂に連なっている本館で、石造りの堅牢な建物をライブラリアンとアーキビストの方に詳細に案内いただきました。

カーネギー館 図書館
図書館のプレート
カーネギー館 図書館
階段上の装飾
カーネギー館 図書館
3階窓から隣の博物館
の恐竜展示を見る
 1階に児童室や一般書の部屋、2階に「詩」の部屋、種々の楽譜を集めた音楽コレクション、就業支援の部屋などがあり、3階の地元ペンシルバニアに関する文献が集められた地域資料室には、マイクロフィルムカーネギー自身に関する資料もありました。各閲覧室の開架書架のほかに、半透明の硝子の床で仕切られた積層書架の保存スペースがあり、その更に奥にある貴重書室にも入れていただきました。貴重書室の蔵書は図書ラベルを貼るかわりに付箋が挟まれていました。歴史的な文献やカーネギーの書簡類も保存されているそうで、書架の上にはカーネギーの肖像が掲げられていました。(2012.03.19訪問)
ピッツバーグ・カーネギー図書館(本館)
楽譜コレクション
ピッツバーグ・カーネギー図書館(本館)
付箋が挟まれた
貴重書室の蔵書
ピッツバーグ・カーネギー図書館(本館)
カーネギー肖像画

参考リンク