情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 「血液型」を検索すると - ことがら編

 「血液型」をおもしろ社史検索してみました。
 「徳川慶喜の血液型を知りたい」というレファレンスがあり、いろいろ調べてみるついでに社史索引データベースのサンプルデータも「血液型」と入れて検索してみました。さすがに慶喜の血液型についてはでてきませんでしたが、興味深い下記2件がヒットしました。

検索結果

内容年月日『社史タイトル』
(発行所、発行年)
種別(詳細)
全従業員に血液型検査施行1944.10『播磨50年史』(播磨造船所、1960)年表(当社主要事項)
“TORAYMAC”GR(自社開発の自動血液型判定機)販売開始1995.03東レ70年史:1926〜96年 資料編』(東レ、1997)年表(営業)

検索結果から見えてくること

  • 播磨造船所で1944年に全従業員の血液型を検査したのは、事故や空襲などで従業員が負傷することを想定し、その際に適切な対処をする準備のためと考えられます。戦時中のリスク管理の一例といえるでしょうか。
  • 元々は繊維メーカーであった東レが自動血液型判定機を開発し販売したのは、経営多角化、新事業進出の一例と考えられます。1995年は1月に阪神淡路大震災が発生しており、自動血液型判定機に対する旺盛な需要があったのかもしれません。
  • 念のためにそれぞれの社史の本文を見てみましたが、血液型や判定機についての記載は見当たりませんでした。社史本文からより詳しい情報が得られる場合もあるかもしれませが、年表の記載データだけからもいろいろ興味深い状況が見えてきます。
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