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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 【秋田】 天恵豊かな地。勇気と忍耐をもって開発を - 秋田銀行 【『渋沢栄一伝記資料』第5巻掲載】

1897(明治30)年1月(56歳)
栄一秋田銀行の相談役と為り爾来同行のため尽力するところ多し。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代 明治六年−四十二年 / 1部 実業・経済 / 1章 金融 / 1節 銀行 / 4款 国立銀行及ビ普通銀行 / 17 株式会社秋田銀行 【第5巻 p.361-362】

 秋田銀行は1896(明治29)年5月に創立、同年9月の第一銀行秋田支店閉鎖に伴いその営業を引き継ぎました。翌1897(明治30)年、渋沢栄一は依頼を受けて秋田銀行の相談役となっています。
 1917(大正6)年、栄一は東北視察旅行の途次で秋田を訪れ、土崎町招待会で挨拶、県会議事堂等で講演を、また秋田銀行にも立ち寄り行員一同に訓話をするなど各地で演説を行っています。その中で栄一は、鉱山・油田、稲作・養蚕等に恵まれた秋田は「稀なる天恵豊かな地」であるとし、その天恵を活用するためにも「協同一致の観念」と、今一層の「勇気と忍耐」を持って事業を継続し、新たな事業をも開発してほしいと秋田県人に対する希望を述べています。
 秋田銀行は、昭和に入り仙北銀行、池田銀行能代合資、平鹿銀行と合併、さらにその後 1941(昭和16)年には第四十八銀行、湯沢銀行と戦時統合で新たな秋田銀行となりました。旧秋田銀行本店建物は秋田市立赤れんが郷土館として往時の面影を現在に伝えてます。

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