情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 長崎大学附属図書館「幕末・明治期 日本古写真メタデータ・データベース」

*以下は、2013年4月12日時点でのウェブサイトの内容について記載したものです。現在では内容が変わっている可能性もありますのでご注意下さい。

 長崎大学附属図書館での古写真の収集は1988年に開始され、そのコレクションは10年後の1998年にデータベースとしてインターネット上で公開されました。先駆的なデジタル古写真データベースであり、国内外からの利用を期待して、当初より日本語版と英語版の2つのバージョンでデータベースが提供されています。
 資料の増加もあり、これまでに何度かデータベースの更新が行われ、現在では約7,000枚の古写真を見ることができます。キーワード検索以外に、撮影者・撮影対象・撮影地域のリストが用意されているので、適切なキーワードが思いつかない場合でも必要な写真を見つけ出すことが可能です。さらに、日本語あるいは英語に精通していなくても使いやすくなるような工夫が凝らされています。
 検索結果には、写真のサムネールとタイトル・撮影者(未詳ではない場合)が表示されます。写真によっては撮影者・撮影年代が不明なものも含まれていますが、幅広く検索できること、探しやすいことの2点から、一般利用者から専門の研究者まで、役に立つサイトと言えるでしょう。また、それぞれのページは右上にあるボタン(Japanese Version / English Version)によって日本語版と英語版がリンクしているので、二カ国語による情報を再検索せずに入手できるようになっています。なお、「撮影対象から探す」で複数のキーワードチェックを入れて検索すると「and検索」ではなく「or検索」となるので注意が必要です。
 関連プロジェクトとして「幕末・明治期日本古写真超高精細画像」があります。これは古写真コレクションの中から約500枚の超高精細画像を公開するものです。こちらも、キーワード検索以外に撮影者・撮影年代・撮影地域のリストや古地図から探すことができます。それぞれの画像ページには、拡大・縮小のできる超高精細画像ページへのリンクのほかに、写真の内容や撮影に関する情報も掲載されています。

 これまでにハーバード大学図書館「Early Photography of Japan」(英語版のみ)や、フォトブログ「OLD PHOTOS of JAPAN」(英語版日本語版)など、学術機関や営利サイトによって古写真データベースが公開されてきましたが、二カ国語による探しやすさや収録枚数の点で長崎大学附属図書館の古写真データベースに匹敵するものは数少ないように思われます。

参考リンク