書誌事項
経済道徳研究所年報. 第1号-第4号 / 明石照男編
東京 : 渋沢青淵記念財団竜門社経済道徳研究所, 1953-1956
4冊 ; 21cm
注記: Title in romaji: Keizai Dotoku Kenkyujo nenpo ; Title in English: Annuals of the Research Institute of Economy and Morality ; 非売品
解題
1949年(昭24)渋沢青淵記念財団竜門社は、前理事長明石照男(あかし・てるお、1881-1956、栄一女婿)の主唱により、渋沢栄一の思想研究を目的として青淵主義研究所を設立。哲学者和辻哲郎(わつじ・てつろう、1889-1960)の指導の下に4人の研究員が毎月例会を重ね、成果を機関誌『青淵』誌上に発表。1953年(昭28)経済道徳研究所と改称し、研究成果を掲載した『経済道徳研究所年報』を4号まで刊行する。3、4号巻末の例会報告には、毎月の例会での研究発表要旨を掲載。1956年(昭31)9月の明石の逝去により同年末で活動を終息。
目次
号 | 記事タイトル | 著者 | ページ | 発行年月 |
---|---|---|---|---|
第1号 | まえがき | 明石照男 | 巻頭p1-4 | 1953.07 |
古代儒教における富または利の観念 | 鈴木憲久 | p1-42 | ||
渋沢栄一翁の経済思想 | 土屋喬雄 | p43-74 | ||
倫理的経済学に就て | 竜野健次郎 | p75-105 | ||
ニーチェに於ける現代人のモラール | 吉沢伝三郎 | p106-157 | ||
お詫び | 和辻哲郎 | 巻末p1-2 | ||
第2号 | まえがき | 明石照男 | 巻頭p1-3 | 1954.12 |
古代漢民族の経済思想の展開 | 鈴木憲久 | p1-92 | ||
日本における企業家精神の発達 | 土屋喬雄 | p93-137 | ||
経済の倫理的構造 | 竜野健次郎 | p139-171 | ||
正義について | 吉沢伝三郎 | p173-230 | ||
人類の教師* | 和辻哲郎 | 巻末p1-13 | ||
第3号 | 序にかえて | 明石照男 | 巻頭p1-2 | 1955.12 |
論語に関する一研究 | 鈴木憲久 | p1-31 | ||
日本における企業家精神の発達 (2) | 土屋喬雄 | p33-73 | ||
ウェルナー・ゾンバルトのブルジョワ精神について | 竜野健次郎 | p75-112 | ||
経済と道徳 (1) | 吉沢伝三郎 | p113-134 | ||
経済の論理と倫理** | 湯浅泰雄 | p135-173 | ||
研究所例会報告 | p175-178 | |||
第4号 | 明石照男氏を偲ぶ | 和辻哲郎 | 巻頭p1-3 | 1956.12 |
孟子及び荀子から見た論語 | 鈴木憲久 | p1-31 | ||
金原明善の事業と指導精神 | 土屋喬雄 | p33-67 | ||
キリスト教の経済倫理:信仰と経済との和解過程 | 竜野健次郎 | p69-92 | ||
経済と道徳:方法論序説 (2) | 吉沢伝三郎 | p93-113 | ||
研究所例会報告 | p115-118 |
**第3号掲載の湯浅泰雄論文は、和辻が会長を務める日本倫理学会の懸賞論文1等入選のもの。
『青淵』掲載の「青淵主義研究所」関係記事
号 | 記事タイトル | 著者 | ページ | 発行年月 |
---|---|---|---|---|
5 | 竜門社青淵主義研究所開設 | p20 | 1949.08 | |
11 | 渋沢青淵の道徳経済合一主義 | 吉沢伝三郎 | p1-20 | 1950.02 |
14 | 青淵先生の経済思想(上) | 土屋喬雄 | p1-12 | 1950.05 |
15 | 渋沢青淵翁の経済思想(中) | 土屋喬雄 | p14-20 | 1950.06 |
17 | 渋沢青淵翁の経済思想(下) | 土屋喬雄 | p9-14 | 1950.08 |
18 | 青淵翁の経済倫理(一) | 竜野健次郎 | p1-4 | 1950.09 |
19 | 青淵翁の経済倫理(二) | 竜野健次郎 | p3-13 | 1950.10 |
19 | 渋沢青淵翁を語る(上) : 青淵主義研究会座談会 | 明石照男;斉藤惣一;和辻哲郎;土屋喬雄 | p17-24 | 1950.10 |
20 | 青淵翁の経済倫理(三) | 竜野健次郎 | p3-8 | 1950.11 |
20 | 渋沢青淵翁を語る(下) : 青淵主義研究会座談会 | 明石照男;斉藤惣一;和辻哲郎;土屋喬雄 | p9-21 | 1950.11 |
25 | 私の根本の考 : 青淵主義研究会に於る講話要旨 | 和辻哲郎 | p1-6 | 1951.04 |
『青淵』5号(1949年8月)p20掲載の「竜門社青淵主義研究所開設」記事
竜門社青淵主義研究所開設
竜門社では、かねて計画中であった青淵主義の研究を重要事業の一つとして実行することゝなり、曖依村荘内青淵文庫(東京都北区滝野川1,036)に新に青淵主義研究所を開設した。研究所主任には明石照男氏を推し、和辻哲郎氏指導の下に、竜井[竜野]健次郎(京大文学部出身、明大講師)及び吉沢伝三郎(東大文学部出身)の両氏を研究員に専任[ママ]、土屋喬雄、鈴木憲久両氏を嘱託としてこれに参与し、部署を分担して、研究を進めている。
(顧問)姉崎正治、安倍能成、石川岩吉、宇野哲人、賀川豊彦、斉藤惣一、椎尾弁匡、鈴木大拙。
書影
第1号 (第2号も同様) | 第3号 (第4号も同様) | 第3号裏表紙 (第4号も同様) |
外部機関の所蔵データほか
NDL-OPAC 1,2 / CiNii Books 1,2 / Worldcat 1,2,3,4,5,6 / NDL Search / Webcat Plus 1,2 / Googleブックス 1,2
参考リンク
- [栄一関連文献][文献解題] 『渋沢青淵記念財団竜門社百年史』 【渋沢青淵記念財団竜門社,1986】
〔実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」 - 2013年5月24日〕
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20130524/1369360015 - 日本倫理学会
http://jse.trustyweb.jp/