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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 【千葉】 東京市養育院安房分院 - 風土の恩恵と地元の後援で児童を育む 【『渋沢栄一伝記資料』第30巻掲載】

1917(大正6)年6月8日(77歳)
是日、当院安房分院に於て磨崖碑竣工式行はれ、栄一当院院長として之に列席す。引続き新築せる同分院会堂に於ける楽翁祭に出席し、一場の演説をなす。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 1部 社会公共事業 / 1章 社会事業 / 1節 東京市養育院其他 / 1款 東京市養育院 【第30巻 p.182-185】

 生活困窮者等の保護を目的に創設された養育院は、都市発展に伴いその機能・規模を拡充、1886(明治19)年からは保護者を無くした児童の救護も行っています。
 渋沢栄一は初期から養育院運営に尽力、特に児童養育には心を砕き、子供達に対しては再々に「渋沢を親と思い心強くあれ」と語っています。1909(明治42)年、特に病弱・虚弱な児童の転地療養のため、千葉県船形町に安房分院が設置されました。安房分院について、栄一はその最晩年に「天恵豊かな船形で地元有志の熱心な援助により児童が健やかに生育しつつある状態を見ることは真に喜びとするところ」と述べています。
 安房分院は後に養護施設「船形学園」となりました。学園裏手には地元有志の発起によって建立された磨崖碑が今日も残り、安房分院の由来と福祉の歴史を今もその碑文中に伝えています。

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参考リンク

更新履歴

2015.01.16:東京都船形学園のサイトリニューアルに伴うリンク切れにより、参考リンクに「園の概要」追加