宮崎駿監督の新作映画「風立ちぬ」が話題を呼んでいます。そこで小説『風立ちぬ』の著者「堀辰雄」をおもしろ社史検索してみました。1件ヒットしましたのでご紹介します。
検索結果からみえてくること
堀辰雄(ほり・たつお、1904-1953)は昭和前期に活躍した作家ですが、三菱地所の社史の索引に名前が登場していました。本文をみたところ、関東大震災後の「郊外住宅地の発展」という項目の中に、次のように書かれていました。
東京の郊外、山の手の新興住宅地の住民になった人々は、サラリーマンや官吏・軍人などが多かったが、田端(現北区)、落合(現新宿区)、馬込(現大田区)や長崎(現豊島区)などには文士村やアトリエ村が誕生した。こうした自然の残る環境の良い、しかも家賃の安い住宅地域に芸術活動の場を移す人たちが出てきて、独特の雰囲気を醸しだしていた。たとえば、田端の文士村には芥川龍之介、室生犀星、萩原朔太郎、中野重治、堀辰雄、菊池寛、平塚らいてうなど、多くの小説家、詩人、評論家をはじめ画家、詩人、彫刻家などが住んでいた。
(同社史 上巻 p329-330)
不動産会社の社史だけに、当時の郊外住宅地の様子が垣間見えます。堀辰雄は芥川龍之介(あくたがわ・りゅうのすけ、1892-1927)と交友があったそうですが、なるほど近くに住んでいたのでした。
参考リンク
- 田端文士村記念館
〔公益財団法人 北区文化振興財団〕
http://www.kitabunka.or.jp/kitaku_info/rlink/work-bunsimura - 芥川龍之介
〔公益財団法人 北区文化振興財団|田端文士村〕
http://www.kitabunka.or.jp/kitaku_info/rlink/summary-ichiran#a - 堀辰雄
〔公益財団法人 北区文化振興財団|田端文士村〕
http://www.kitabunka.or.jp/kitaku_info/rlink/summary-ichiran#ha - 芥川竜之介論―芸術家としての彼を論ず―(堀辰雄著)
〔青空文庫〕
http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/card47895.html - 三菱地所(株) (社史紹介「み」)
〔渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター〕
http://www.shibusawa.or.jp/center/shashi/shasi_ma.html#02
凡例
- 「おもしろ社史検索」を始めるにあたって
〔実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」 - 2012年12月7日〕
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20121207/1354846066