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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 『日本蚕糸業史. 第1巻』 【大日本蚕糸会, 1935】

会社名

(社)大日本蚕糸会
[Shadan Hojin Dai Nippon Sanshikai]

書誌事項

日本蚕糸業史. 第1巻 / 大日本蚕糸会
 東京 : 大日本蚕糸会, 1935.02
 183, 72, 5, 428p, 図版43枚 ; 23cm
 注記: Title in romaji: Nihon sanshigyoshi ; 奥付の編纂者: 日本蚕糸業史編纂委員代表本多岩次郎 ; 印刷所: 三秀舎 ; 発売所: 明文堂 ; 縦組み

  • 社史・会社に関する各種ID :なし

外部機関の所蔵データほか

NDL-OPAC / CiNii Books / Worldcat 1,2 / NDL Search / Webcat Plus / Googleブックス 1,2

会社沿革と社史メモ

古来連綿と続いてきた日本の蚕糸業は明治以降空前の発展を遂げた。1892年(明25)創設の業界団体である大日本蚕糸会は、昭和天皇即位記念に皇室の保護のもとに発展した蚕糸業史を5巻にまとめ編纂。各巻の内容は、第1巻「総論、宮中御養蚕史、生糸貿易史」、第2巻「生糸貿易史(続)、製糸史」、第3巻「養蚕史、蚕種史」、第4巻「栽桑史、政策史」、第5巻「学術史、年表」。
本書第1巻は「総論」と「生糸貿易史」からなり、「総論」は神代から江戸時代までの蚕糸業史の概要をまとめた8章と、明治以降の皇室の養蚕と蚕糸業奨励のための行啓等を記載した「宮中御養蚕史」で構成される。「生糸貿易史」は江戸末期の開港を境に前半8章と後半7章からなり、前半は古代から開港までの中国から欧州にいたる生糸貿易史を簡潔にまとめ、後半は開港以降関東大震災ころまでの生糸貿易発展の歴史を6章40節に詳述している。それに続く第7章「第七期革釐時代は製本の便宜上」第2巻末尾に掲載。
[渋沢栄一大日本蚕糸会評議員、後に顧問。日本蚕糸業史刊行委員会の顧問もつとめた]
[(社)大日本蚕糸会は1942年(昭17)合併改組により(財)大日本蚕糸会となる]

目次(抜粋)

項目ページ
巻頭
凡例巻頭
日本蚕糸業史総論 / 藤本実也
  目次巻頭
  第一章 神代に於ける蚕糸業1
  第二章 皇朝紀元より大化改新までの蚕糸業24
  第三章 大化大宝時代の蚕糸業63
  第四章 寧楽朝時代の蚕糸業73
  第五章 平安朝時代の蚕糸業87
  第六章 鎌倉時代より南北朝時代までの蚕糸業112
  第七章 室町時代より安土桃山時代までの蚕糸業129
  第八章 江戸時代の蚕糸業147
  (総論)宮中御養蚕史 / 本多岩次郎
目次
緒言1
明治四年の宮中御養蚕4
明治五年の宮中御養蚕15
明治六年の宮中御養蚕21
明治十二年の宮中御養蚕23
太后陛下の御養蚕26
皇后陛下の御養蚕43
御養蚕所奉仕者人名44
御養蚕所御製糸奉仕者人名49
太后陛下の御養蚕を拝し奉りて53
蚕糸御奨励の為行幸啓竝に台臨あらせられたる事蹟62
生糸貿易史 / 藤本実也
  目次1
  開港以前の生糸貿易1
第一章 古来の貿易1
第二章 勘合船貿易9
第三章 対欧貿易15
第四章 朱印船貿易21
第五章 白糸割符28
第六章 鎖国36
第七章 和糸取引40
第八章 生糸相場49
  開港以来の生糸貿易69
第一章 第一期 揺籃時代69
  第一節 横浜開港当時の生糸貿易78
  第二節 開港当時の生糸種別91
  第三節 輸出生糸の粗製濫造と取締99
  第四節 生糸の輸出制限と荷受所103
  第五節 屑糸の輸出108
  第六節 生糸売込問屋と外国商館111
第二章 第二期 彷徨時代122
  第一節 通過と通商司129
  第二節 墺国博覧会と海外に於ける本邦生糸の批評137
  第三節 生糸改所と其の売買及製造取締142
  第四節 貿易品として生糸に対する政府の警告153
  第五節 米国直輸出159
第三章 第三期 就緒時代167
  第一節 洋銀取引178
  第二節 横浜正金銀行185
  第三節 生糸荷預所と内外商の葛藤189
  第四節 邦人の生糸輸出業198
  第五節 横浜蚕糸貿易商同業組合207
  第六節 生糸輸出税の全廃問題214
第四章 第四期 基礎時代218
  第一節 日清戦争と生糸貿易231
  第二節 内外商紛議238
  第三節 横浜蚕糸取引所241
  第四節 生糸検査所250
  第五節 生糸直輸出奨励法実施と廃業258
  第六節 内外生糸商取引規約協定264
  第七節 巴里大博覧会と万国繊度会議269
第五章 第五期 建設時代273
  第一節 日露戦争と生糸貿易284
  第二節 投機熱の勃興と其の反動290
  第三節 露国へ生糸輸出の開始293
  第四節 生糸整理法300
  第五節 セントルイス世界大博覧会304
  第六節 上州南三社直輸出問題307
第六章 第六期 波瀾重疊時代310
  第一節 欧州戦争の勃発と貿易界の混乱321
  第二節 時局に対する応急策と救済運動325
  第三節 第一次帝国蚕糸株式会社336
  第四節 米独国交断絶と糸価維持運動349
  第五節 欧洲戦争後市場の活躍357
  第六節 恐慌来と救済運動361
  第七節 第二次帝国蚕糸株式会社370
  第八節 日本蚕糸絹業者の交歓390
  第九節 関東大震災と生糸界の打撃402
  第十節 神戸港と生糸輸出414

参考リンク

*詳細目次については、実業史研究情報センターのサイトで2014年春に公開予定の「渋沢社史データベース」でご覧いただくことができます。