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 『「徳川慶喜公伝」と渋沢栄一 : 展示記録・講演録 : 渋沢史料館収蔵品展』 【渋沢史料館,2014】

書誌事項

徳川慶喜公伝』と渋沢栄一 : 展示記録・講演録 : 渋沢史料館 収蔵品展
 東京 : 渋沢史料館, 2014.03
 57p ; 30cm
 注記: 展覧会カタログ ; 会期・会場: 2013年6月8日-8月11日:渋沢史料館 ; 講演会「徳川慶喜渋沢栄一」: 2013年6月16日 ; 講演会「徳川慶喜と幕末の志士」: 2013年6月30日 ; 会場: 渋沢史料館

解題

 渋沢栄一はかつて仕えた徳川慶喜(とくがわ・よしのぶ、1837-1913)の伝記を、全8巻の『徳川慶喜公伝』として1918年(大正7)竜門社から出版した。本書は渋沢史料館が慶喜没後100年を機に開催した『徳川慶喜公伝』に関する収蔵品展と、会期中に行った2回の講演会の記録。
 内容はまず「収蔵品展の概要」として、展示概要、展示構成、印刷物等をまとめている。次の「展示内容」では、展示構成に沿って写真キャプションと展示説明文の全文を再録し、さらに主な展示品写真を掲載している。
 中央大学文学部教授・松尾正人氏の講演「徳川慶喜渋沢栄一」では、幕末から慶喜晩年までの栄一との関係を、具体的なエピソードを交えてわかりやすく解説。徳川林政史研究所研究員・藤田英昭氏の講演「徳川慶喜と幕末の志士」では、幕末に慶喜が置かれた立ち位置から周囲の志士らとの関わりが微妙に変化していく過程を詳述。そして栄一を見出した一橋家家臣・川村恵十郎(かわむら・えじゅうろう、1835-1897)らについて、資料を示して紹介している。

書影

『昔夢会筆記』

目次

項目ページ
はじめに1
目次2
凡例2
1. 収蔵品展の概要3
2. 展示内容7
  開催にあたって9
  1. 徳川慶喜渋沢栄一 : 今日あるのは慶喜公のおかげ10
  2. 伝記編さん、始まる : 慶喜公の御伝記を作りあげたい11
(1) 第一次編さんの構想と成果11
  3. 伝記編さん、再出発 : 偏見の私論ではなく、天下の公論12
(1) 『慶喜公伝』編さんに関する決定事項(明治40年6月29日)12
(2) 第二次編さん時代の慶喜と栄一13
(3) 萩野由之による回想(「徳川慶喜公伝跋」より抜粋・要約)13
  4. 昔夢会 : 新しく旧事を問い奉れる15
(1) 昔夢会のようす15
(2) 昔夢会の主な出席者15
  5. 『徳川慶喜公伝』が完成 : 一日も早くご覧に入れたいと思うて16
(1) 『徳川慶喜公伝』献呈奉告式(『竜門雑誌』第355号より)16
(2) 『徳川慶喜公伝』全8巻の概要16
  おわりに : 伝記編さんは謝恩のため18
(1) 『徳川慶喜公伝』完成披露会18
(2) 関東大震災で失われた『徳川慶喜公伝』の資料18
(3) 「一老人」からの手紙(『竜門雑誌』第455号より)19
  『徳川慶喜公伝』の編さん者たち20
  展示資料目録21
  主な参考文献22
3. 講演録23
  徳川慶喜渋沢栄一 / 松尾正人25
I. 憂国の志士と徳川慶喜25
  1. 渋沢栄一尊王攘夷25
  2. 一橋家の渋沢栄一29
II. 幕府の崩壊とその後33
  1. 幕末の激動と江戸開城33
  2. 渋沢栄一の新政府出仕39
III. 静岡の徳川慶喜渋沢栄一39
  1. 静岡の慶喜邸訪問39
  2. 徳川慶喜の晩年41
参考文献41
  徳川慶喜と幕末の志士 / 藤田英昭43
1. 御三卿の特色 : 田安・一橋・清水46
2. 慶喜への期待と尊攘派志士48
3. 慶喜の政治的立場と尊攘派53
参考文献56
謝辞巻末

関連講演会(会場は渋沢史料館青淵文庫)

第1回日時2013年6月16日(日)13:30〜15:00
テーマ徳川慶喜渋沢栄一
講師松尾正人(中央大学文学部教授)
第2回日時2013年6月30日(日)13:30〜15:00
テーマ徳川慶喜と幕末の志士
講師藤田英昭(徳川林政史研究所研究員)

参考リンク