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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 『国訳論語』『論語 : 斯文会訓点』 【竜門社,1928】

書誌事項

国訳論語 / 斯文会編訳
 東京 : 竜門社, 1928.05
 2, 5, 179p ; 14cm
 注記: 渋沢青淵先生米寿祝賀記念 ; 袖珍本 ; 革装, 金の背文字, 三方金

国訳論語 / 斯文会編訳
 東京 : 竜門社, 1928.05
 2, 5, 179p ; 23cm
 注記: 渋沢青淵先生米寿祝賀記念

論語 : 斯文会訓点 / 斯文会編
 東京 : 竜門社, 1928.05
 2, 2, 105p ; 23cm
 注記: 渋沢青淵先生米寿祝賀記念 ; 参照タイトル: 訓点論語

本文を読む

解題

 渋沢栄一は中国春秋時代末期に活躍した孔子と弟子たちの言行録である「論語」を、自らの規範として常に座右に置いていた。栄一を慕う人々が創立した竜門社は、1928年(昭和3)栄一の米寿を祝賀記念し、栄一が副会長を務める斯文会の編集・翻訳による『国訳論語』と『論語 : 斯文会訓点』を発行した。
 『国訳論語』は「論語」を日本語に読み下して漢字にルビを振ったもので、同内容で大きさ・装丁の違う二種類がある。ポケットサイズの袖珍本(しゅうちんぼん)は革装で三方金を施してあり、竜門社会員、斯文会会員、ほか関係者へ配布。一方で小学校読本の型に準じた菊版の並装本は、全国の小学校へ配布した。
 『論語 : 斯文会訓点』(訓点論語)は、「論語」原文に句読・訓点と送り仮名を施したもの。大きさ・装丁は『国訳論語』並装本と同じで、こちらは師範学校、中学校、実業学校、図書館へ寄贈した。
 『国訳論語』『論語 : 斯文会訓点』共に巻頭に「渋沢青淵先生米寿祝賀紀念」の朱印と「教育勅語」を置き、「諸言」に発行の経緯を記す。本文には論語の「学而第一」から「堯曰第二十」まで全20編が収められている。また『国訳論語』の「例言」には、参考にした16の訓点本があげられている。
[『国訳論語』の「諸言」「例言」と『論語 : 斯文会訓点』の「諸言」は、『渋沢栄一伝記資料』第41巻p341-342に再録。なお竜門社は米寿記念として同時期に『青淵先生訓話集』も刊行]

書影

はゝその落葉

左から『国訳論語』並装本、同袖珍本、『論語 : 斯文会訓点

目次

項目『国訳論語』編名のよみ*ページ
国訳論語
袖珍本・並装共
訓点論語
教育ニ関スル勅語巻頭巻頭
諸言 / 竜門社11
例言 / 斯文会11
国訳論語
学而第一がくじ だいいち11
為政第二いせい だいに75
八佾第三はついつ だいさん149
里仁第四りじん だいし2214
公冶長第五こうやちょう だいご2818
雍也第六ようや だいろく3824
述而第七じゅつじ だいしち4729
泰伯第八たいはく だいはち5735
子罕第九しかん だいく6439
郷党第十きょうとう だいじゅう7444
先進第十一せんしん だいじゅういち8248
顔淵第十二がんえん だいじゅうに9355
子路第十三しろ だいじゅうさん10461
憲問第十四けんもん だいじゅうし11668
衛霊公第十五えいれいこう だいじゅうご13177
季氏第十六きし だいじゅうろく14284
陽貨第十七ようか だいじゅうしち15189
微子第十八びし だいじゅうはち16195
子張第十九しちょう だいじゅうく16799
堯曰第二十ぎょうえつ だいにじゅう176104
*旧仮名遣いは新仮名遣いになおした

外部機関の所蔵データほか

『国訳論語』[並装本] : NDL-OPAC / CiNii Books / Worldcat / NDL Search / Webcat Plus / Googleブックス 1,2
論語 : 斯文会訓点』 : NDL-OPAC / CiNii Books / Worldcat / NDL Search / Webcat Plus / Googleブックス 1,2

参考リンク