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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 『青淵先生訓話集』 【竜門社,1928】

書誌事項

青淵先生訓話集 / 渋沢青淵 [述] ; 竜門社編
 東京 : 竜門社, 1928.05
 3, 7, 400p, 図版2枚
 注記: 渋沢青淵先生米寿祝賀記念 ; 著者の肖像あり ; 非売品 ; ハードカバー ; 表紙タイトルと背文字は金文字, 裏表紙に竜門社印の型押し

青淵先生訓話集 / 渋沢青淵 [述] ; 竜門社編
 東京 : 竜門社, 1928.06
 3, 7, 400p, 図版2枚
 注記: 折込図1枚 ; 著者の肖像あり ; 発売所: 刀江書院 ; ソフトカバー ; 裏表紙に刀江書院のマーク

解題

 渋沢栄一を慕う書生たちが創立した竜門社は、1928年(昭和3)栄一の米寿を祝賀記念し、栄一の訓話を編集した『青淵先生訓話集』を発行して会員に配布した。会員の尾高豊作(おだか・ほうさく、1894-1944)はこの訓話集を広く世に普及させるため、竜門社に依頼してソフトカバーで公刊し自身の経営する刀江書院から発売した。
 本書の19ページに渡る「題言」は、栄一の米寿前日の談話を編集したもので、経済道徳合一に腐心してきた自らの生涯を振り返る内容。続く本文は栄一の54の訓話を、国家、国際、政治、経済、社会、教育、青年、修養の8つのテーマの下に編集したもので、栄一が折々に語った言葉を種々の新聞雑誌等から再録したと考えられる。巻末附録「私の目的と経歴」で栄一は再び20ページに渡り生涯を振り返り、討幕から実業界入りまでの目的変更に触れながら、実業の進歩発展に尽力することができたと述べている。
[「題言」は『竜門雑誌』461号p1-10(1927.2)記事と同内容。なお竜門社は米寿記念として同時期に『国訳論語』と『論語 : 斯文会訓点』も刊行]

書影

はゝその落葉

左が会員配布本、右が刀江書院発売本

目次

項目ページ
青淵先生題字巻頭
最近の青淵先生 [写真]巻頭
大蔵省租税正時代(明治三年)の青淵先生 [写真]巻頭
序 / 竜門社理事長 男爵 阪谷芳郎1
目次1
題言
米寿を迎へて1
国家訓
1 古聖賢の訓言より20
2 皇室中心主義の徹底35
3 復興国民の努力すべき第一義40
4 我が国民に寄す49
5 富豪と成敗55
国際訓
1 世界の平和と人類の文化66
2 国際聯盟協会の使命72
3 米国対日問題の経過80
4 米国の排日移民法89
5 日米問題の解決策98
6 支那に対して誤れる日本人105
7 日華関係甦生の意義108
8 日支の経済的聯繋116
9 日英の関係123
10 国際共助精神の現れ129
11 国際道徳と世界平和133
政治訓
1 政治と道徳137
2 政治道徳の本義144
3 政党の墮落と国策の忘却153
経済訓
1 経済的国難と道徳161
2 三大事業発展の積極策166
3 金利は国力の象徴179
4 産業立国と文化的農業185
5 学問と実際と能率189
6 産業の発達に精進せよ195
7 企業家と虚業203
8 財界の変動に就て216
9 経済の合理化と忠恕223
社会訓
1 吾人の社会的使命230
2 著しい社会の変転と理想232
3 社会生活と個人生活238
4 労働問題と多数252
5 労働問題の根本解決策254
6 憂ふべき社会相260
7 社会事業思想の変遷と養育院266
教育訓
1 人間の本性と其の使命274
2 思想の悪化と教育の改善279
3 今後の教育は精神的に283
4 商業教育の進展288
5 実際的の教育296
青年訓
1 現代青年の通弊302
2 無学は恐るゝに足らぬ312
3 元気は頭から出る316
4 有為の青年は磁石の如し322
5 青年に与ふ326
6 権利義務の正当なる理解331
修養訓
1 社会人としての人格修養336
2 克己は仁の原動力342
3 交際の必要条件348
4 趣味と実益355
5 地位は自ら築くべし358
6 精神の安住地364
7 秋と人生369
8 昭和戊辰に際会して378
附録
私の目的と経歴381

外部機関の所蔵データほか

NDL-OPAC / CiNii Books / Worldcat / NDL Search / Webcat Plus / Googleブックス 1,2

参考リンク