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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 『婦人界三十五年』 【婦女新聞社, 1935】

書誌事項

婦人界三十五年 / 福島四郎著
 東京 : 婦女新聞三十五年記念会, 1935.05
 4, 6, 1222, 4, 4p, 肖像 ; 23cm
 注記: Title in romaji: Fujinkai sanjugo-nen ; 序 / 穂積重遠 ; 版元: 婦女新聞社 ; 製本所: 村田文泉閣 ; 印刷: 多木印刷所 ; 縦組み

書影

婦人界三十五年

解題

 女性の置かれた弱い立場に疑問を持った福島四郎(1874-1945)は、女性に関わる言論発信のため1900年(明治33)婦女新聞社より『婦女新聞』を創刊。以来週刊で刊行を重ね、休刊は関東大震災時の3回のみであった。
 創刊から35年を祝して刊行された本書は、福島が『婦女新聞』誌上に掲載した記事から約1/3を選び、9編に分類して掲載したもの。第1-4編は婦人論、婦人運動、女子教育、家庭等、女性の関わる問題に焦点を置いた記事集。第5編は明治からの時代ごとの時事問題記事で、第6編は津田梅子(1864-1929)ら女性を含む著名人についての記事集。渋沢栄一(1840-1931)も取り上げられており、追悼記事に「論語の愛読者でありながら、婦人観は儒教主義でなく、各種婦人団体の運動にもよく力を添へられた」とある。第7編は江戸時代の歌人井上通女(1660-1738)らの小伝集で、第8編は随筆などの著作。第9編は創刊以来35年間の婦人界女子教育界の主な事件を年月順に列記したもの。巻末には全国の女学校一覧を掲載。以上本書は福島個人の著作にとどまらず、日本の女性問題に関する資料集となっている。
 なお栄一長女の穂積歌子(1863-1932)が『婦女新聞』の熱心な読者であった縁で、本書序文は歌子長男の穂積重遠(1883-1951)が執筆している。
[栄一は婦女新聞後援会の相談役を務めた。『婦女新聞』は戦時下の用紙統制で1942年3月22日の2175号を以て廃刊。全号の復刻版が1982-1985年に不二出版から、全68巻と記事・執筆者索引及び本書復刻版付で刊行されている]

目次等へのリンク(渋沢社史データベース)

目次 / 年表 / 資料編 / 基本情報(書誌事項など)

目次(大項目のみ)

目次項目 ページ
第一編 人生、思想及婦人論 3
第二編 婦人問題及婦人運動 111
第三編 女子教育及青年指導 263
第四編 結婚、家庭及修養 379
第五編 時の問題 537
第六編 人物 649
第七編 史伝 809
第八編 隨筆、文芸、余録 909
第九編 婦人界女教界小史 1083
     明治三十三年の全国高等女学校一覧1216
     同年[明治三十三年]の府県女子師範学校一覧1217
     明治三十五年の東京公私立女学校一覧1218
     明治三十七年の府県女子師範学校一覧1219

参考リンク