情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 『渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く : 渋沢栄一渡仏一五〇年 : 企画展』 【渋沢栄一記念財団渋沢史料館,2017.03】

書誌事項

渋沢栄一パリ万国博覧会へ行く : 渋沢栄一渡仏一五〇年 : 企画展 / [渋沢栄一記念財団渋沢史料館編]
 東京 : 渋沢栄一記念財団渋沢史料館, 2017.03
 211p ; 30cm
 注記: 展覧会カタログ ; 会期・会場: 第1期:2017年3月18日-6月25日:渋沢史料館企画展示室、第2期:2017年9月9日-12月10日:渋沢史料館企画展示室 ; 主催: 渋沢史料館 ; 後援: 松戸市教育委員会, 公益財団法人日仏会館, 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本, 日本仏学史学会, 明治維新史学会 ; 付: 正誤表1枚

解題

 渋沢栄一は1867年(慶応3)春、パリ万国博覧会に参列する将軍徳川慶喜の弟・昭武の随行員として渡仏した。そして翌年冬に帰国するまで約1年半にわたりパリに滞在し、欧州各地を巡行し、昭武の留学生活を支えている。本書はこの栄一の欧州体験をたどった渋沢史料館企画展の図録で、「図版編」と「資料編」からなる。
 「図版編」は展示構成にそって、異国行きを命じられた栄一が、横浜を出港しパリに到着、パリ万博を観覧し、欧州を見聞し、昭武の留学生活に仕え、帰国の途につくまでを綴った7章からなる。栄一の日記や手紙、人物写真や万博の様子を示す図版など数多くの展示資料を掲載するとともに、「渋沢栄一の仕事」と題したコラムを随所にはさみ、様々な視点から栄一の体験を追うことができる編集。
 「資料編」は展示に関連した論考6本と、展示資料の解説及び史料22点の翻刻を掲載。また「関連資料」として、徳川昭武と随員一覧、欧州巡歴の行程、渋沢栄一の実務・行程の詳細なデータをまとめている。さらに「関連史料集」には、「渋沢子爵談話の一説」など10本の史料を掲載している。
 なお企画展は前半の章に重点を置いた第1期が2017年3月18日から6月25日まで、後半の章に重点を置いた第2期が同年9月9日から12月10日までの開催で、図録は第1期第2期共通。

書影

『渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く : 渋沢栄一渡仏一五〇年』

目次

項目ページ
ごあいさつ3
目次4
凡例6
図版編
   第一章 フランス国え御使い仰せ付けられ : 栄一、異国行きを命じられる 慶応二年一一月7
      徳川昭武の渡仏8
        渋沢栄一の仕事[1] 栄一の役割とは10
   第二章 是れ一万里外、壮遊の首途なり : 栄一、横浜出港 慶応三年一月一一日〜三月六日13
      徳川昭武と随員たち14
        渋沢栄一の仕事[2] 出発準備に大忙し20
      徳川昭武一行、フランスへ24
      『航西日記』でみる各寄港地28
        渋沢栄一の仕事[3] 船酔いと汽車旅32
   第三章 ふらんすのぱりすと申す都に罷り在り候 : 栄一、パリに到着する 慶応三年三月七日37
      徳川昭武の宮廷外交とパリ市中視察39
        渋沢栄一の仕事[4] 庶務・会計として47
           (1)慣れない異国の地で/(2)昭武のアパートメントを探す
      銀行家エラールとヴィレット中佐48
   第四章 博覧会展観も誠に盛大壮栄 : 栄一、パリ万国博覧会を観る49
      一八六七年パリ万国博覧会50
      パリ万博の展示区画52
      日本の展示56
      清水卯三郎出店の茶店58
        渋沢栄一の仕事[5] パリ万博をみて60
   第五章 各国御巡歴、本月上旬御出発と相成り候 : 栄一、欧州を見聞する 慶応三年八月六日〜一一月二二日63
      徳川昭武一行、欧州を巡歴する64
      欧州巡歴の人員65
        渋沢栄一の仕事[6] 出発前のひと悶着67
      徳川昭武一行、スイスへ行く68
        渋沢栄一の仕事[7] 杉浦愛蔵らの帰国71
      徳川昭武一行、オランダへ行く74
      徳川昭武一行、ベルギーへ行く77
        渋沢栄一の仕事[8] ベルギー国王の話し79
      徳川昭武一行、イタリアへ行く80
        渋沢栄一の仕事[9] 国王より勲章を贈られる83
      徳川昭武一行、マルタ島へ行く86
        渋沢栄一の仕事[10] マルタ島の軍艦トラブル87
      徳川昭武一行、イギリスへ行く88
        渋沢栄一の仕事[11] ドーヴァー市民の歓迎94
   第六章 一同稽古はげしく、日々勉強いたし候 : 栄一、徳川昭武留学のお側で 慶応三年一一月二三日〜慶応四年八月二九日95
      徳川昭武の留学生活96
        渋沢栄一の仕事[12] 昭武様のお側で97
        渋沢栄一の仕事[13] 留学表の捻出100
      日本で起きた政変101
      次々と帰国する随員たち103
      各国留学生と栗本鋤雲らの帰国108
      渋沢平九郎の悲劇112
        渋沢栄一の仕事[14] 留学継続計画113
      徳川昭武、帰国を決断する115
      最後のフランス旅行116
        渋沢栄一の仕事[15] 帰国準備117
        渋沢栄一の仕事[16] 徳川慶喜への不満118
   第七章 我等一同、終始誠に息災に之れあり候 : 栄一、帰国の途につく 慶応四年八月三〇日〜明治元年一一月三日121
        渋沢栄一の仕事[17] ヴィレットに宛てた書簡123
        渋沢栄一の仕事[18] 栄一の手元に残った御用状126
      渋沢栄一にとっての異国体験128
資料編 [129]
   概説 一八六七年パリ万博と日本 / 寺本敬子130
      「ユニヴェルセル」と自由貿易/「日本」のイメージ/「物」と「人」
   幕末の徳川慶喜 / 久住真也134
   「御勘定格陸軍附調役」渋沢栄一 / 関根仁137
      はじめに/栄一の職務内容/欧州巡歴に際して/庶務・会計を示す実物資料/杉浦愛蔵のサポート/おわりに
   薩摩スチューデントについて / 町田明広141
   近代日本と博覧会 : 渋沢栄一とともに / 国雄行144
      はじめに
      I 万国博覧会への参加と内国勧業博覧会の開催
        第二回パリ万国博(一八六七年)とウィーン万国博(一八七三年)/第一回内国勧業博(一八七七年)
      II 内国勧業博覧会と民間の活動
        第三回内国勧業博(一八九〇年)/シカゴ万国博(一八九四年)と第四回内国勧業博(一八九五年)
      III 日本の近代化と内国勧業博覧会の拡大
        第五回パリ万国博(一九〇〇年)/第五回内国勧業博(一九〇三年)/日本大博覧会と東京勧業博覧会(一九〇七年)
      おわりに
   資料解説148
   資料翻刻158
   関連資料
      徳川昭武と随員178
      徳川昭武一行、欧州を巡歴する180
      渋沢栄一の実務・行程182
      関係史料集198
        【史料1】出発前の渋沢栄一「伺書」(慶応二年一二月頃)198
        【史料2】渋沢子爵談話の一節198
        【史料3】随員の申合規則(慶応三年一一月頃)200
        【史料4】巴里御屋形申合(慶応三年一一月)200
        【史料5】月掛積金申合と同規定(慶応四年一月)201
        【史料6】栗本安芸守より、渋沢篤太夫・栗本貞次郎へ諸事取扱心得書(慶応四年四月頃)201
        【史料7】フリューリ・エラールに托して鉄道債券を買い入れる際の栄一覚書(慶応四年五月頃)202
        【史料8】渋沢栄一書簡草稿 ヴィレット宛(1868年12月29日)202
        【史料9】渋沢栄一「年頭所感二題」(昭和三年一月)203
        【史料10】渋沢栄一「新年所感」(昭和四年一月)204
主要参考文献:206
謝辞210
開催情報211

外部機関の所蔵データほか

NDL-OPAC / CiNii Books / Worldcat / NDL Search 1,2 / Webcat Plus / Googleブックス 1,2

デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

参考リンク