書誌事項
青淵先生演説撰集 / [渋沢栄一述] ; [竜門社編]
東京 : 竜門社, 1937.11
3, 3, 370p, 図版6枚 ; 20cm [四六判]
注記: 竜門雑誌第590号附録
解題
渋沢栄一の七回忌に当たり、渋沢栄一記念財団の前身=竜門社の機関誌である『竜門雑誌』第590号(1937.11)の附録として刊行された栄一の演説撰集。栄一が生前語り、編纂当時記録収集の叶った2,800余件の「演説」から、1902(明治36)年12月より1931(昭和6)年9月にかけて行なわれた26の「演説」を、およそ年代順に収録する。収録に当たっては「出来得る限り原本に忠実ならんことを旨とした」とするが、「演説」への新タイトル付与や章立ての省略、補足情報の付与など、1冊の書籍にまとめるための改変がなされている(巻頭「凡例」参照)。また各「演説」とも、冒頭にその概要(「演説」年月日、場所、時代背景など)を記す。収録された「演説」は、典拠を異にするものを含め、後にすべて『渋沢栄一伝記資料』に何らかの形で収録されている。
なお、本書刊行後の動きとして、以下の『竜門雑誌』記事があげられる。
- 「青淵先生演説撰集」に就いて (595号(1938.04) p.69) …本書の追送募集および組版処理について。
- 「青淵先生演説撰集」を読む / 土屋喬雄 (596号(1938.05) p.5-10) …各「演説」の概説を兼ねた書評。
- 戦争の『始期』に就て : 「青渊先生演説撰集」編纂上の一難点 : 雑録 / 桂素好 (612号(1939.09) p.98-103) …本書p.328収録「第八回平和記念日に際して」テキスト中にある栄一の言葉「世界大戦は大正三年八月から」をめぐり第一次欧州戦争(世界大戦)の開始月を考察、本書編纂に当たり照査を重ねたことをうかがいしることができる。
書影
左:表紙 右:標題紙
目次
項目 | ページ |
---|---|
米寿の青淵先生/本社主催青淵先生米寿祝賀会の席上謝辞を述べらるゝ先生(昭和三年九月二十九日、於帝国ホテル)/中央社会事業協会の或集会に於て演説中の先生/「平和記念日に際して」放送中の先生(本文「第八回平和記念日に際して」参照)/新築東京手形交換所に安置せられたる青淵先生銅像の原型(堀進二作)/青淵先生元旦試筆(本文「義利何時能両全」参照) | 口絵 |
序 / 竜門社 | 1 |
凡例 | 1 |
目次 | |
青淵先生訓言 | 1 |
欧米の財界を歴訪して | 16 |
農村と地方自治の本領 | 56 |
訪米土産 | 80 |
白河楽翁公の遺徳 | 94 |
東京市養育院の沿革と現状 | 112 |
徳川慶喜公を懐ふ | 148 |
支那の開発と日支提携の必要 | 164 |
実業界引退に際して | 174 |
理化学研究所の設立 | 190 |
人とは何ぞや | 197 |
日本女性の進むべき道 | 211 |
世界大戦の教訓 | 228 |
労資協調会設立発起の趣旨 | 251 |
二松学舍と予 | 260 |
生涯に感銘したる事ども | 265 |
国際聯盟協会長として | 288 |
道徳経済合一説 | 305 |
第一銀行五十年の回顧 | 310 |
米国の排日法案に就いて | 317 |
第八回平和記念日に際して | 328 |
米寿を祝されたるを謝して | 334 |
「義利何時能両全」 | 344 |
義務を先にし権利を後にせよ | 352 |
茗香先生の古稀を祝して | 359 |
中華民国の水災救援について | 369 |
外部機関の所蔵データほか
NDL-ONLINE / CiNii Books / Worldcat / NDL Search 1, 2, 3 / Webcat Plus
参考リンク
- デジタル版『渋沢栄一伝記資料』 - 第43巻|財団法人竜門社
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/index.php?DK430044k_text - デジタル版『渋沢栄一伝記資料』 - 第48巻|栄一ノ演説・談話ヲ編集刊行セルモノ | 青淵先生演説撰集
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo-admin/digital/main/index.php?DK480050k_text - 青淵先生演説撰集 | 国立国会図書館デジタルコレクション ※図書館送信参加館のみ
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1221026(2019年9月14日確認)