書誌事項
渋沢栄一はなぜ「宗教」を支援したのか : 「人」を見出し、共鳴を形にする / 山口輝臣編著
京都 : ミネルヴァ書房, 2022.04
xi, 209, 5p ; 22cm (渋沢栄一と「フィランソロピー」. 7)
注記: シリーズ責任編集: 見城悌治, 飯森明子, 井上潤 ; ISBN: 9784623093007
解題
渋沢栄一の多方面にわたる「フィランソロピー」活動を分析し、その思想を重層的に考察するシリーズ「渋沢栄一と「フィランソロピー」」の5作目。今回の第7巻では、無宗教を公言した渋沢はなぜ「宗教」を支援したのかに着目。「宗教」が担っていた「フィランソロピー」活動への支援や、「徳川の遺臣」「名士」の立場としての支援といった視点から、渋沢栄一の宗教・宗派を超えた多様な宗教へのかかわり方を解明。
書影
目次
項目 | ページ |
---|---|
シリーズ出版『渋沢栄一と「フィランソロピー」』(全八巻)刊行にあたって | i |
はしがき | iii |
目次 | [v] |
凡例 | xi |
序章 「無宗教」の実業家が「宗教」を支援すること / 山口輝臣 | 1 |
一 多岐にわたる支援とその背景 | 1 |
二 実業家の「フィランソロピー」が「宗教」と出会う場所 | 7 |
第I部 「フィランソロピー」の担い手に対する積極的な援助 | [15] |
第一章 渋沢栄一と日曜学校 : 見出された「国民外交」への期待 / 佐藤大悟 | 17 |
一 「渋沢栄一とキリスト教」を問う困難 | 17 |
二 世界日曜学校大会後援会の活動 | 19 |
三 「国民外交」をめぐる期待と憂慮 | 23 |
四 第八回世界日曜学校大会の開催 | 29 |
五 渋沢はなぜ日曜学校を支援したのか | 33 |
第二章 渋沢栄一による救世軍・山室軍平への支援 / 町田祐一 | 39 |
一 救世軍・山室への支援 | 39 |
二 山室と救世軍事業への信頼 | 42 |
三 感謝をもって受け取られた渋沢の支援 | 46 |
四 長引く不況のなかで : 救世軍の財政難と関東大震災 | 49 |
五 救世軍支援にみる渋沢のフィランソロピー活動の特徴 | 52 |
第三章 蓮沼門三と渋沢栄一 : 修養団の「生みの親」と「育ての親」 / 山口輝臣 | 59 |
一 草創期の修養団と渋沢による支援の開始 | 59 |
二 渋沢はなぜ修養団を支援したのか | 64 |
三 変容する修養団と渋沢の影響力の消長 | 69 |
四 「フィランソロピー」をめぐる「神話」の語るもの | 79 |
第四章 渋沢栄一と湯島聖堂・孔子祭典 : 儒教精神の普及をめざして / 陳彦君 | 86 |
一 なぜ湯島聖堂と孔子祭典なのか | 86 |
二 湯島聖堂保存への渋沢の模索 | 87 |
三 斯文会と孔子祭典 | 92 |
四 渋沢と湯島聖堂の復興 | 96 |
五 湯島聖堂と孔子祭典に託された思い | 100 |
第II部 「德川の遺臣」としての「宗教」への支援 | [107] |
第五章 松平定信顕彰と南湖神社建設への貢献 / 見城悌治 | 109 |
一 日露戦後社会の「偉人」顕彰と松平定信 | 109 |
二 福島県白河町における定信顕彰事業の動き | 112 |
三 南湖神社創建と渋沢の役割 | 115 |
四 定信顕彰に込めた意図 | 119 |
第六章 旧幕臣・渋沢栄一と徳川家所縁の寺社をめぐって / 原口大輔 | 127 |
一 旧幕臣としての渋沢栄一 | 127 |
二 寛永寺 : 徳川慶喜の葬儀 | 129 |
三 日光東照宮 : 日光東照宮三百年祭奉斎会 | 132 |
四 増上寺 : 静寛院宮奉賛会 | 134 |
五 徳川慶喜の「決断」と「東京」へのまなざし | 139 |
コラム1 渋沢栄一と仏教 : 徳川家と福祉から考える / 金山泰志 | 144 |
第III部 「名士」としての「宗教」へのかかわり | [151] |
第七章 渋沢栄一と郷里の社寺 / 馬場裕子 | 153 |
一 縁深い諏訪神社と獅子舞の祭礼 | 153 |
二 渋沢青淵翁喜寿碑と神社への支援 | 160 |
三 祭礼を通じた農村振興 | 164 |
第八章 渋沢栄一と明治神宮 : 内苑との隔たり、外苑への思い / 平山昇 | 176 |
一 内苑に姿をみせない渋沢 | 176 |
二 東京実業界の思惑 | 178 |
三 「江戸・徳川」への思い | 183 |
四 儒教的西洋化と「宗教」忌避 | 185 |
五 明治神宮がもたらした「事実」 | 191 |
六 渋沢の願いと誤算 | 198 |
コラム2 渋沢栄一と朝鮮仏教の「復興」 : 熊本人・中村健太郎との交叉 / 永島広紀 | 201 |
人名索引 | 1 |
事項索引 | 4 |
執筆者紹介 | 巻末 |
責任編集者紹介 | 巻末 |
参考リンク
- 渋沢栄一はなぜ「宗教」を支援したのか
〔ミネルヴァ書房〕
https://www.minervashobo.co.jp/book/b600530.html - シリーズ出版企画『渋沢栄一と「フィランソロピー」』|研究センターだより
〔研究センター|公益財団法人 渋沢栄一記念財団〕
https://www.shibusawa.or.jp/research/newsletter/post_6.html
「渋沢栄一と「フィランソロピー」」シリーズ一覧
- 渋沢栄一は漢学とどう関わったか / 町泉寿郎編著 [既刊]
- 帰一協会の挑戦と渋沢栄一 / 見城悌治編著 [既刊]
- 渋沢栄一が目指した地方振興 / 松本和明編著
- 日米欧の福祉社会づくりと渋沢栄一 / 兼田麗子編著
- 国際交流に託した渋沢栄一の望み / 飯森明子編著 [既刊]
- 社会を支える「民」の育成と渋沢栄一 / 見城悌治編著 [既刊]
- 渋沢栄一はなぜ「宗教」を支援したのか / 山口輝臣編著[既刊]
- 渋沢栄一による文化の継承と創造 / 井上潤編著
(本書巻末より転載)