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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

『富士銀行百年史』 【富士銀行, 1982】

会社名/沿革

  • 株式会社富士銀行 [Kabushiki Kaisha Fuji Ginko]
    [The Fuji Bank, Limited]

 幕末より安田善次郎(やすだ・ぜんじろう、1838-1921)が営業していた両替店、安田商店を1880(明治13)年に合本安田銀行に改組し創業。合資会社、合名会社への改組を経て、1912(明治45)年株式会社安田銀行となる。1923(大正12)年、株式会社保善銀行を新設。安田銀行はじめ安田関係銀行11行との大合併により、同年株式会社安田銀行と改称する[旧安田銀行とは別会社]。1946(昭和21)年、財閥解体により持株会社である安田保善社から分離。1948(昭和23)年、株式会社富士銀行と改称する。[2000(平成12)年、株式会社第一勧業銀行、株式会社日本興業銀行とともに株式会社みずほホールディングスを設立し、その傘下銀行となる。2002(平成14)年、日本興業銀行と合併し株式会社みずほコーポレート銀行に、2013(平成25)年、第一勧業銀行の後身である株式会社みずほ銀行と合併し新たな株式会社みずほ銀行となる。]

社史メモ

 本巻、別巻2冊からなる百年史。合本安田銀行への改組・創業を元年としている。本巻は全10編にわたり、創業者初代安田善次郎の生い立ち、旧安田銀行はじめ関係銀行の変遷、新安田銀行となってからの戦前・戦中・戦後の歴史、富士銀行と改称後の事業発展等、1400頁超の大著。百周年記念事業を含む1981(昭和56)年6月までを記録している。資料編である別巻は営業店史、関係会社の系統変遷図、定款や株主、役員の変遷などをまとめた参考資料、年表および財務諸表を掲載。営業店史では一店舗ごとに解説、店歴、人事変遷が記述され、その店舗が元々どこの銀行の所属であったのか遡ることができる。

栄一メモ

 渋沢栄一と安田善次郎は多くの事業を共にしており密接な関係にある。第一国立銀行頭取であった栄一は、東京に設立される銀行が増えるにつけ、銀行業者間の協調と親睦を目的とした団体の結成を提唱、安田らは提案に賛同し択善会を発足させる。日本銀行を設立させ、銀行券の発行を国立銀行から移譲させる政府案が出ると、栄一と安田は共に賛同している。この際、栄一は実務重視と思っていた安田が権益移譲に賛意を示したことに驚き、その評価を見直したという。

本巻

  • 第一編 前史
    • 第二章 第三国立銀行の設立
      • 第二節 業界での地歩
        • 択善会と善次郎(p37-39)
  • 第二編 合本安田銀行の創業
    • 第一章 合本安田銀行の発足
      • 第二節 紙幣整理と日本銀行の設立
        • 国立銀行条例の再改正(p53)
  • 第三編 安田銀行と関係銀行の発展
    • 第一章 安田銀行と関係銀行の拡大
      • 第六節 事業界への協力
        • 浅野総一郎の事業に協力(p145-148)
        • 東京湾築港と埋立事業(p148-149)

書誌事項など

富士銀行百年史 / 富士銀行調査部百年史編さん室編
 東京 : 富士銀行 : 1982.03
 xxxiv, 1400p, 図版3枚 ; 27cm
 注記: 印刷: 大日本印刷 ; 縦組み ; 箱入

富士銀行百年史. 別巻 / 富士銀行調査部百年史編さん室編
 東京 : 富士銀行 : 1982.03
 ii, 537p, 図版12枚 ; 27cm
 注記: 印刷: 大日本印刷 ; 折り込図3枚 ; 縦組み ; 箱入

富士銀行百年史

栄一関連情報

参考リンク