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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

『創業100年史』 【古河鉱業, 1976】

会社名/沿革

  • 古河鉱業(株) [Furukawa Kogyo Kabushiki Kaisha]

 小野組で活躍した古河市兵衛(ふるかわ・いちべえ、1832-1903)は、小野組破綻後独立し銅山経営に乗り出す。1875(明治8)年、草倉銅山の経営に着手。次いで1877(明治10)年、足尾銅山の経営も開始する。銅のほか石炭、機械事業にも進出。1905(明治38)年、会社組織に移行し、古河鉱業会社となる。のち幾度かの組織変更を行い、1941(昭和16)年より古河鉱業株式会社となる。1973(昭和48)年、足尾銅山の閉鎖をもって鉱山部門から撤退。以後、化学や機械金属部門を中心とした経営を行う。

社史メモ

 古河市兵衛による個人経営から事業の多角化による古河コンツェルンの形成、戦後の事業変遷まで詳細に記録されている。各時代ごとに古河電気工業をはじめとした関連会社の略史も含む。

栄一メモ

 栄一率いる第一銀行は融資先の小野組破綻により連鎖倒産の危機に陥るが、古河による小野組の抵当資産提供により事なきを得る。この事で栄一と古河の間に深い信頼関係が築かれる。
 栄一は第一銀行を通じて草倉銅山の創業資金を援助し、1880(明治13)年には足尾銅山組合に加盟するなど、古河の銅山経営を支援した。足尾銅山の鉱毒問題では、第一銀行頭取として鉱毒予防工事費用の融資に応じている。

  • 第1章 創業時代(第1編 古河家経営時代)(p.3)
  • 小野組処分と市兵衛(p.23-25)
  • 資金の調達(p.34)
  • 借区坑業譲受けの認可(p.51)
  • 渋沢栄一の組合参加(p.67-68)
  • 渋沢栄一の組合脱退(p.90-92)
  • 工事資金の調達(p.177)
  • 営業制規の制定(p.185)
  • 中日実業株式会社への参加(p.248)
  • 古河銀行の終焉(p.350に渋沢敬三について記述あり)

書誌事項など

創業100年史 / 日本経営史研究所編集・制作
 東京 : 古河鉱業 : 1976.03
 768p, 図版10枚 ; 27cm
 注記: 印刷: 凸版印刷 ; 横組み

創業100年史

栄一関連情報

参考リンク

新紙幣の肖像(2019年4月9日発表)に関する報道などから(その77)

 2019年4月9日(火)、財務省は新しい日本銀行券(紙幣)及び五百円貨幣を発行すると発表しました。このうち紙幣は2024年度上期を目途に発行され、新一万円券の表には渋沢栄一の肖像が掲載されるとのことです。ここでは、渋沢栄一に関する主な記事をまとめました。

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『はじめての渋沢栄一 : 探究の道しるべ』【ミネルヴァ書房, 2020.05】

書誌事項

書誌事項
はじめての渋沢栄一 : 探究の道しるべ / 渋沢研究会編
 京都 : ミネルヴァ書房, 2020.05
 viii, 319, 7p ; 20cm
 注記: ISBN: 9784623088416

解題

 新札肖像画や大河ドラマの主役決定などで注目を集めつつも、その実像が未だあまり知られていない「渋沢栄一」を読み解き、学ぶためのガイドブック。渋沢栄一(しぶさわ・えいいち、1840-1931)の幅広い活動を、多方面から本格的に研究することを目的とする渋沢研究会の創立30周年記念出版。
 一般読者、大学生や外国人学生、小・中学校の教員を主な読者に想定し、人物への興味を深めるためのきっかけ、人物のどこから調べるかを決めるための学習ガイド、学校現場で人物を身近な題材として取り上げる場合のポイントなど、それぞれの目的にあわせ、渋沢を知るためのヒントとなるよう構成。ゆかりの地訪問、著作にみる思想、経営史・外交史・社会福祉史など各学問分野の視点にみる位置づけ、授業でのテーマの取り入れ方と展開等、テーマごと具体的に記され、知るための方法がひとつではないことを提示している。
 渋沢に関する主要書籍、渋沢を主とする展示施設、インターネットを通じてアクセス可能な情報源の章を付す。

書影

はじめての渋沢栄一 表紙

目次

項目ページ
目次[i]
凡例viii
序章 本書の刊行意義 / 島田昌和1
第I部 一般読者のための渋沢栄一ガイド[11]
 [解説] / 島田昌和[12]
第一章 歴史小説・ノンフィクション作品での描かれ方 / 中村宗悦13
 1 歴史小説のなかの渋沢栄一(一九七〇年代以前)15
 2 歴史小説のなかの渋沢栄一(一九八〇年代以降)23
 3 ノンフィクション作品のなかの渋沢栄一29
第二章 ゆかりの地をたずねる―深川・兜町・王子 / 鮫島員義32
 1 深川(福住町)―水運と物流の中心に33
 2 兜町―新たな金融の中心街に37
 3 王子(飛鳥山)―工業と鉄道を眼下に40
 4 墓所(谷中霊園)と銅像45
第三章 渋沢栄一から見える近代化遺産 / 松浦利隆48
 1 富岡製糸場―設置主任の命を受けて50
 2 経済人としての渋沢栄一が関わった遺産54
 3 建築パトロンとしての渋沢栄一と建築家たち63
 4 居宅とゆかりの建築物67
第四章 論語とビジネス / 大島久幸70
 1 「論語と算盤」(道徳経済合一説)とはどんな思想か71
 2 「論語と算盤」の時代性74
 3 「論語と算盤」の普遍性79
第五章 『雨夜譚』を読む / 平井雄一郎86
 1 前半生だけの「雨夜譚」は「日本資本主義の父」の「自伝」か?86
 2 全生涯の原点としての「雨夜譚」89
 3 後半生を描けない「自伝」と「他伝」92
 4 「自伝」としてのオーラル・ヒストリーの豊かさ96
 5 「自伝」の思い込みも役に立つ99
第六章 後継者としての渋沢敬三 / 川越仁恵105
 1 柳田国男との出会い107
 2 民俗学をベースにした独自の経済史アプローチ112
 3 学問に見るその生き方115
 4 栄一の思想を継ぐ、敬三の思想を継ぐ119
第II部 大学生・外国人学生のための渋沢栄一ガイド[125]
 [解説] / 恩田睦[126]
第七章 産業発展の視点から / 高橋周127
 1 役人時代の制度整備128
 2 産業発展の土壌づくり130
 3 産業の近代化137
第八章 企業経営の視点から / 杉山里枝148
 1 渋沢栄一が関わった企業と企業経営の特徴150
 2 渋沢栄一の企業経営、その具体的事例155
 3 企業家としての渋沢栄一の理念158
第九章 政治・外交の視点から / 飯森明子164
 1 渋沢栄一の求めた政治165
 2 激動する社会のなかの渋沢栄一167
 3 国内中心の視点から「国際主義」へ176
第一〇章 社会と福祉の視点から / 稲松孝思183
 1 養育院史への取り組み184
 2 黎明期の養育院と東京府病院187
 3 渋沢栄一の社会事業と養育院198
第一一章 世界から考える新たな研究視点 / 木村昌人207
 1 比較研究としての新たな視点208
 2 渋沢栄一研究の地平を広げる220
第一二章 期待が寄せられる学問・研究領域 / 松本和明226
 1 企業の設立と経営および産業育成(ビジネス)領域227
 2 社会・地域貢献(フィランソロピー)領域233
 3 理念と思想―自らの活動の算盤として239
第III部 学校現場での渋沢栄一ガイド[243]
 [解説] / 是沢博昭[244]
第一三章 小学校における道徳教育のためのヒント / 渡辺大雄245
 1 深谷市における特色ある道徳教育245
 2 小学生のための『論語』教育257
第一四章 中学校・高校における社会科・国際教育のためのヒント / 山内晴子262
 1 魅力ある教材としての渋沢栄一263
 2 授業展開案(一)―渋沢栄一の全体像の把握265
 3 授業展開案(二)―渋沢史料館見学267
 4 授業展開案(三)―東京帝国大学ヘボン講座(デジタル版『渋沢栄一伝記資料』を使用したグループ学習)276
第一五章 郷土の偉人を知る―生誕地・深谷と郷土の学び / 高田知和283
 1 渋沢栄一にとっての郷土284
 2 深谷市の学校教育と渋沢栄一287
 3 地域社会への視線296
付録 もっと知りたい人のためのガイド / 谷田雄一303
 1 書籍303
 2 施設310
 3 ウェブサイトとデジタル化資料313
おわりに / 是沢博昭315
人名索引1
事項索引4
執筆者紹介巻末

外部機関の所蔵データほか

NDL-ONLINE / CiNii Books / Worldcat / NDL Search / Webcat Plus

関連エントリー

参考リンク

新紙幣の肖像(2019年4月9日発表)に関する報道などから(その76)

 2019年4月9日(火)、財務省は新しい日本銀行券(紙幣)及び五百円貨幣を発行すると発表しました。このうち紙幣は2024年度上期を目途に発行され、新一万円券の表には渋沢栄一の肖像が掲載されるとのことです。ここでは、渋沢栄一に関する主な記事をまとめました。

人物紹介

栄一関連会社・団体

ゆかりの地

栄一関連文献

反響など

大河ドラマ「青天を衝け」

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