栄一、浅野総一郎外三十二名ト共ニ、我邦ト独・米・露間ノ三大海外定期航路ヲ開設スルノ目的ヲ以テ、東洋汽船株式会社創立ヲ発起シ、是日発起人総会ニ於テ創立委員ニ選バレ、後、創立委員長トナル。マタ大東汽船ノ合併ニモ与ル。
出典：『渋沢栄一伝記資料』 2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代 明治六年−四十二年 / 1部 実業・経済 / 2章 交通 / 1節 海運 / 4款 浅野回漕部・東洋汽船株式会社 【第8巻 p.258-267】
・『渋沢栄一伝記資料』第8巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/08.html
当時、渋沢栄一は日本郵船の重役でもあり、競合企業の設立を支援したことで、栄一を非難する声もあったとのことです。それに対する栄一の言葉が『青淵先生六十年史』に掲載されています（『渋沢栄一伝記資料』第8巻に再録）。
[前略] 余ノ事業ノ為メニ奔走スルハ一念国家ノ利益ヲ計ルニアリ、故ニ成立ノ見込アル事業ナレハ、幾箇ニテモ成立セシムルコトニ尽力シ、国家経済ノ発達ヲ助ケントス、銀行業ナリ、紡績業ナリ、其他幾多ノ商工業ニシテ、余ノ関係セルモノ皆尽ク然ラサルナシ、但成立ノ見込ナクシテ、徒ニ競争ノミヲ事トスルモノニ至テハ、余ノ取ラサル所ナリ [後略]
（引用は『渋沢栄一伝記資料』第8巻p.263より）
参考：『青淵先生六十年史. 第1巻』（竜門社, 1900）p.912-913
〔近代デジタルライブラリー - 国立国会図書館〕
初版：http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=40018484&VOL_NUM=00001&KOMA=476&ITYPE=0
再版：http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=53015641&VOL_NUM=00001&KOMA=475&ITYPE=0
