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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 1909(明治42)年5月16日 (69歳) 養育院安房分院の開院式 【『渋沢栄一伝記資料』第24巻掲載】

千葉県安房郡船形町の当院安房分院落成せるにより、勝山町の臨海保養所を此処に移し、是日、開院式を行ふ。栄一之に出席し、一場の演説を為す。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代 明治六年−四十二年 / 2部 社会公共事業 / 1章 社会事業 / 1節 養育院其他 / 1款 東京市養育院 【第24巻 p.203-215】
・『渋沢栄一伝記資料』第24巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/24.html

東京市養育院安房分院は、千葉県船形に設置された日本で初めての病弱児・虚弱児のための転地療養施設です。
植山つる著「養育院院長渋沢栄一安房分院」(『千葉県社会事業史研究』第9・10合併号 p.1-13掲載)によると、安房分院は児童居室と病室を区別し、全室南向きとするなど部屋の構造に最大限の注意が払われているだけではなく、「開設早くも児童取扱心得という職員の処置上の指針が明文化されて」おり、「心得の中で、行儀作法や悪しき性向の矯正についても触れられているが、感化性の教育とは当然異なって、あくまでもやさしく、静かに注意するなどの指示がなされて」いたということです。また、渋沢栄一は院長として「子どもの処置については、早くから職員に対し幾度ともなく訓辞を」した、とも書かれています。
なお、「安房分院の設立及びその時寄せられた慈善会等の多大な援助を永く記念するため」、1917(大正6)年に建てられた記念碑「磨崖碑」は、栄一が揮毫したものです。
参考:千葉県社会事業史研究. 第9・10合併号 (千葉県社会事業史研究会、1984.12)
外部機関の書誌データ : NDL-OPAC / Webcat
磨崖碑について
〔東京都船形学園〕
http://www.funagaku.org/link2.html

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