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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 1903(明治36)年7月16日 (63歳) 高松豊吉、東京瓦斯取締役に 【『渋沢栄一伝記資料』第12巻掲載】

是日第三十六回株主定時総会開かれ、終会後引続き臨時総会に移り、栄一工学博士高松豊吉を常務取締役に推選す。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代 明治六年−四十二年 / 1部 実業・経済 / 3章 商工業 / 21節 瓦斯 / 3款 東京瓦斯株式会社 【第12巻 p.673-680】
・『渋沢栄一伝記資料』第12巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/12.html
高松豊吉は「日本における工業化学の振興を志していて、東京大学における化学教育を純正化学と応用科学に分離することを提唱し」「わが国が応用化学専門家を必要とする時期に東京大学、東京職工学校において多くの後継者の養成に努力」した人物でした(芝哲夫「高松豊吉(1852〜1937)」より)。
高松は渋沢栄一の推薦で1903(明治36)年に東京瓦斯に入社、その後1909(明治42)年に同社社長となり、瓦斯事業だけでなく、1917(大正6)年の理化学研究所設立やその他国際交流など、多くの社会公共事業にも関与しています。1927(昭和2)年には東京工業試験所長としての高松の功績を記念する事業が企画されましたが、『渋沢栄一伝記資料』第49巻p.169には、栄一が記念事業の発起人を務めたことが掲載されています。
参考:芝哲夫「高松豊吉(1852〜1937)」(『和光純薬時報』Vol.72,No.3(和光純薬工業, 2004.03)p.26-27)(PDF)
和光純薬工業株式会社〕
http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/journal/jiho/pdf/jiho723.pdf