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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 1909(明治42)年8月18日 (69歳) 東亜興業株式会社の設立 【『渋沢栄一伝記資料』第54巻掲載】

是より先、栄一、外務大臣小村寿太郎及び総理大臣桂太郎を訪ひて夫夫要談し、更に会社設立に関する書類を検閲する等、当会社設立のため尽力する所あり。
是日、東京銀行集会所に於て、当会社創立総会開かる。栄一出席し、議長となりて議事を司宰し、重役選定に当りては、取締役に古市公威外五名を、監査役に大橋新太郎外一名を指名す。栄一、株主となる。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 2部 実業・経済 / 6章 対外事業 / 2節 支那満洲 / 3款 東亜興業株式会社 【第54巻 p.491-495】
・『渋沢栄一伝記資料』第54巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/54.html
「東亜興業」は、清国の鉄道、鉱山、造船、発電などに関する調査と資金提供を主な事業として1909(明治42)年に成立されました。この時、古市公威とともに取締役となったのは小田切万寿之助、山本条太郎、門野重九郎、岩下清周、白岩竜平。大橋新太郎とともに監査役となったのは中島久万吉でした(『渋沢栄一伝記資料』第54巻p.492)。
◆ 創設時取締役

◆ 創設時監査役

  • 大橋新太郎(おおはし・しんたろう、1863-1944)
    博文館設立者。大日本麦酒、日本硝子などの役員も務める。衆議院議員貴族院議員。日本工業倶楽部理事長
  • 中島久万吉(なかじま・くまきち、1873-1960)
    1907(明治40)年古河鉱業入社。後に横浜電線製造、横浜護謨製造設立に尽力、社長となる。貴族院議員。戦後は日本貿易会会長

  参考文献:『日本人名大辞典』 (講談社, 2001.12)ほか
参考:東亜鉄道研究会・東亜興業と古市公威 - 中国の鉄道史(その1)
〔鉄建協会報No.244 - 社団法人 日本鉄道建設業協会
http://www.tekkenkyo.or.jp/kaihou/244/24.html