情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 1915(大正4)年1月30日 (74歳) 南洋協会の創立総会 【『渋沢栄一伝記資料』第55巻掲載】

是日、築地精養軒に於て、当協会創立総会開かる。栄一評議員に推され、在任歿年に及ぶ。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 2部 実業・経済 / 6章 対外事業 / 3節 其他ノ外国 / 9款 南洋協会 【第55巻 p.664-667】
・『渋沢栄一伝記資料』第55巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/55.html

南洋協会はジャワ、スマトラ、ボルネオ、フィリピンなどの社会や産業ほか諸事情を調査、南洋貿易に携わる人材の養成、学術・技芸普及を目的に設立された団体で、渋沢栄一は創立当初から同会評議員に就任しています。
渋沢栄一伝記資料』第55巻p.665-666には、『実業之世界』10周年記念号に掲載された談話が、『竜門雑誌』第371号(1919.04)からの転載として紹介されています。その中で栄一は、「南洋には鉱産物、水産物、林産物など未知の富源が多く潜んでいると思われる。日本・南洋の貿易を振興するには、まず現地の事情、物産について十分な調査を行う必要がある。またその取引にあたって第一に心がけねばならないのは、現地に損害を与えず、利益のみを与えるようにすることである。先方が知識を持たないからといって不当に利益を独占したり、横暴な取引をするようでは、円満な貿易は行えず、やがて日本人は排斥されてしまう。現地の利益・幸福を増進させるよう心がけねばならない」という趣旨のことを述べています。
南洋協会十年史 / 堀口昌雄編輯 (東京 : 南洋協会, 1925.02)
〔NACSIS Webcat
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA58312013
南洋協会二十年史 (東京 : 南洋協会, 1935.06)
〔NACSIS Webcat
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BN1145537X