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 1909(明治42)年8月17日 (69歳) 渡米実業団団員、明治天皇より午餐を賜る 【『渋沢栄一伝記資料』第32巻掲載】

是日、天皇陛下、渡米実業団員一同に対し、芝離宮に於て午餐を賜ふ。栄一、席上団員を代表して答辞を述ぶ。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 1部 社会公共事業 / 3章 国際親善 / 1節 外遊 / 1款 渡米実業団 【第32巻 p.53-54】
・『渋沢栄一伝記資料』第32巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/32.html

渡米実業団誌 同団残務整理委員編
  第七二−七四頁 明治四三年一〇月刊
 ○第一編第一章出発前
    第十一節芝離宮の賜宴
かくて本団の出発も、いよいよ近づきたるに、八月十七日に至り、特別の思召を以て、団員一同芝離宮に召され、午餐を賜はる事と成りたり。
団員は各正装して定刻前より参殿せるに、宮内次官子爵渡辺千秋氏、近藤宮内大臣秘書官と共に一々迎接し、暫時客殿にて懇談せる中、桂総理大臣(兼任大蔵大臣)・小村外務大臣・大浦農商務大臣引続き来着あり、やがて一同食堂に導かる。席定まるや、渡辺次官立て
○中略
最後に渋沢男爵は、団員を代表して答辞を述べ、 陛下の優渥なる御思召、只感泣の他なきを謝したる後、『自分の如き老躯を提げて、敢て此重任に当るは、恰も若年の頃兵役に服せざりしを償ふに似たり、而も団員皆兵員の心掛を以て規律を重んじ任務を全うせんことを期す』云々と結び、夫より談笑の間に恩賜の珍味を拝賞し、紀念として賜はりたる銀製花瓶・香函等を拝受して別室に移り、尚懇談数刻の後、午後二時頃各自退出せり。
此の事たる本邦空前の特典なるが故に、団員一同太く 聖恩に感激し為めに一層の奮励を期せるが、尚在本邦米国通信員の電報によりて、詳細彼地の各新聞に伝はるや、米国公衆に対して、亦多大の印象を与へ、今回実業団の渡米が、本邦朝野の等しく重きを措く所なるを悟らしむるに、非常の効力ありしものゝ如し。
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.54掲載)

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