情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 1909(明治42)年8月26日(木) 航海9日目 - 一品陳列会開催

渋沢栄一 日記 1909(明治42)年 (渋沢子爵家所蔵)

八月二十六日 半晴 冷
午前六時半起床、入浴シ、畢テ米国史ヲ読ム、八時半朝飧ス、食後中野・岩原・堀越諸氏ト一行ノ分課及其人撰等ヲ内議ス、後臥床ニテ休憩ス、午後一時午飧ス、食後又室内ニテ小憩ス、蓋シ船少シク動揺スレバナリ、夕方ヨリ遊戯ス、午後七時夜飧ス、後遊戯ス
此日ハ朝来天気朗晴ナリシカ、風強クシテ船少シク動揺セリ
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.56掲載)


竜門雑誌』 第262号 (1910.03) p.41-49

    ○青渊先生渡米紀行
         随行員 増田明六記
八月二十六日 木曜日 晴
前日来の強風少しも衰へす、船体動揺一層甚しかりければ、青渊先生にも一寸不快を感ぜられたりしが、為之食事を廃せらるゝに至らず、三食共に食堂に出でられ、其間読書を廃せられたる事なし
喫煙室に於て一品陳列会を開く、但其品は特に其人に限らるゝ必要品(仮令は医師の医療器械の如し)は之を除き、審査委員に於て旅行する何人にも必要と認らるゝものを一等とする事、而して同一の品を出したる者より双方共に一弗づゝの罰金を徴するとの規定なり、集まりたる物品は日本少女の人形・美人絵葉書・己れの小供写真・短刀・ステツキ・化粧道具・爪切・荷物括糸・小楊枝・磁石・体温器・一文銭一緡・按摩棒・旅行枕・懐中晴雨計等にして、審査の結果は懐中晴雨計が一等賞で、小生の出品した旅行枕が二等賞に当選したり
正午航程三百十八浬、北緯四十九度二十九分・西経百六十五度六十一分、風西
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.72掲載)


渡米実業団誌』 (巌谷季雄, 1910.10) p.75-86

  ○第一編 本記
     第二章 渡航日誌
八月二十六日(木)晴
中食後総会に於て、神田男シヤトル博覧会の状況、同市の形勢に付て、一場の講話を為す、夜喫煙室に一品会を開く、各自所持品を持ち寄り、其傑出せる者に賞を与ふる事とす。田村氏出品、懐中バロメートル、第一の選に入る。
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.79掲載)


ミネソタ号の現在地 (北緯49度29分・西経165度61分)


大きな地図で見る