情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 1917(大正6)年5月13日(日) 東京製鋼小倉製鋼所 【『東京製綱百年史』(東京製綱, 1989)掲載】

1887(明治20)年創立の東京製鋼は、鋼索の需要が豊富な筑豊炭砿地帯への供給を目指し、1908(明治41)年に小倉分工場を開業しました。第一次大戦を契機に鋼索の需要が盛んとなり、小倉分工場の近くに用地を買収して工場を建設し、1917(大正6)年に小倉製鋼所を起業しました。しかし会社の一部門として投資を続けるには荷が重く、翌1918(大正7)年には浅野総一郎(あさの・そういちろう、1848-1930)へ譲渡し、浅野小倉製鋼所となりました。
渋沢栄一は東京製鋼の創立委員として、また後には取締役会長として1909(明治42)年まで経営に直接関わりました。小倉製鋼所が浅野総一郎の手に渡った後、第一次大戦後の不況で譲渡金支払いが滞り紛議が発生した時も、栄一が仲裁に入り裁定を行いました。裁定に従い譲渡金が完済されたのは、栄一が没した3年後の1934(昭和9)年のことでした。
参考:渋沢栄一関連会社社名変遷図 >> 製綱・製錬業 (浅野小倉製鋼所)
渋沢栄一記念財団 渋沢栄一
http://www.shibusawa.or.jp/eiichi/companyname/019.html
 
渋沢栄一関連会社社名変遷図 製綱・製錬業