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 【福岡】 世界への玄関を築く - 門司築港会社 【『渋沢栄一伝記資料』第13巻掲載】

1889(明治22)年3月(49歳)
是より先、九州鉄道敷設計画の進捗に伴ひ其起点たる福岡県企救郡門司港開築の要あり。仍て初め同県当局に於て之れを企てしも其経費支弁に苦む所ありて、豊前六郡の有志者斎藤美知彦等相謀り会社事業として之れを経営せんとす。栄一・大倉喜八郎等協議に与り、是月資本金二十五万円の株式会社を創立す。栄一、当会社相談役たり。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代 明治六年−四十二年 / 1部 実業・経済 / 3章 商工業 / 23節 土木・築港 / 5款 門司築港会社 【第13巻 p.207-210】

 渋沢栄一は港湾設備が地域発展に果たす役割を重視していました。東京市区改正の検討に際しても築港を「第一着手とすべし」と述べ、門司、若松、大船渡など各地の築港事業に関与しました。門司築港に際しては地域有志から相談を受けてこれを支援、築港会社創立時には相談役に就任しています。
 かつて漁村であった門司は開港により急成長を遂げ、1899(明治32)年には周辺の地域に先駆け市制施行で門司市に、やがて外国航路船も寄港する主要港として、世界に向けて開く日本の玄関口の一つとなりました。
 北九州市門司区は今日では内航フェリーの就航する港として、また、当時の建造物が残る異国情緒の港として「門司港レトロ」をキーワードに観光地としての開発が進められています。

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