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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 『岩倉使節団からの手紙 : 特別展』 【渋沢史料館,1991】

書誌事項

岩倉使節団からの手紙 : 特別展
 東京 : 渋沢史料館, 1991
 [4]p ; 26cm
 注記: 展覧会カタログ ; 会期・会場: 1991年11月5日-12月19日:渋沢史料館 ; タイトル情報源: 表紙 ; 1枚 (折物)

解題

明治維新後に欧米各国を歴訪した岩倉使節団の団員および途中から合流した人々から、渋沢栄一(1840-1931)に宛てた書簡13通を展示した渋沢史料館特別展の展示案内。右大臣岩倉具視特命全権大使として結成された約50名からなる岩倉使節団は、1871年(明4)から1873年(明6)にかけて米国から欧州各国を歴訪した。条約改正の目的は成果をあげられなかったが、欧州諸国で見聞した諸事が後の日本に大きな影響を与えることとなった。参加者からの栄一宛書簡には公的記録に現れない貴重な情報も含まれており、当時の栄一が政府内で占めていた地位を理解する資料にもなっている。「展示書簡一覧」には、発信人別に書簡の年月日、発信地、内容が簡潔にまとめられている。
[展示品は全て渋沢史料館所蔵]

書影

『岩倉使節団からの手紙』表紙

目次

項目ページ
開催にあたって2
岩倉使節団」とは2
発信人略歴3
  福地源一郎
  富田冬三
  杉山一成
  田中光
  田辺太一
  吉田二郎
  中島作太郎
  本多晋
展示書簡一覧4

展示書簡の内容と、同時期の渋沢栄一略年譜

以下は「展示書簡一覧」掲載事項を年月日順に並べなおしたもので、同時期の渋沢栄一略年譜を補記しました。












西暦(和暦)月日差出人発信地内容渋沢栄一略年譜*
1869(明治2)11月明治政府に出仕。民部省租税正、改正掛長。
1870(明治3)8月制度取調御用掛兼務。大蔵少丞。10月官営富岡製糸場設置主任となる。
1871(明治4)11月岩倉使節団横浜出港8月制度取調御用掛兼務。大蔵少丞。10月官営富岡製糸場設置主任となる。
11/27福地源一郎太平洋・船中使節団の近況報告
12/15富田冬三サンフランシスコ当地到着後の歓待ぶり報告
12/19福地源一郎サンフランシスコ日本にて雇い入れ決定人物の紹介
1872(明治5)2/6杉山一成ワシントン当地大蔵省での会計向調査状況報告2月大蔵少輔事務取扱、墺国博覧会御用掛。11月栄一の草案になる国立銀行条例発布。
2/10福地源一郎ワシントン伊藤・大久保帰朝決定通知
3/15吉田二郎ワシントンナショナルバンク制度採用について忠告
5/10中島作太郎ニューヨーク摺立証書・紙幣の送付状
8/19本多 晋ロンドン日本の開明ぶりが賞賛されている状況報告
10/12福地源一郎ロンドンバンク倒産による一行の被害状況報告
10/12田中光ロンドンバンク倒産による一行被害状況報告
1873(明治6)1/12福地源一郎パリ此節、公務・公事がない状況報告5月大蔵省退官。6月第一国立銀行創立、総監役。
1/13田辺太一パリ議会での議論のあり方・英仏比較
5/19福地源一郎紅海・英国郵船中予定帰路の通知
9月欧州からアジア経由で帰国。
*「渋沢栄一略年譜」は『渋沢栄一を知る事典』(東京堂出版、2012)より抜粋。

外部機関の所蔵データほか

NDL Search / Googleブックス

参考リンク