渋沢敬三の刊行した『豆州内浦漁民資料』関連の展示を観に沼津市歴史民俗資料館へ行きましたので、「沼津」をおもしろ社史検索してみました。130件ヒットしましたので、年表は1925年まで抜粋して、他は全てご紹介します。
検索結果からみえてくること
- 1869年に「商社会所」が設立されたことが『静岡銀行史』にでていますが、これは静岡の「商法会所」と同時期に沼津にできた、銀行類似会社でした。『静岡銀行史』にはいくつもの銀行の設立や合併など、地域の金融発展史が詳細に記載されているのがわかります。兵学校や公立学校の設立、御用邸の落成など金融以外の地方史の記述も散見されます。
- 1913年の沼津市の大火については、損害保険会社の社史などに載っていました。
- 沼津兵学校については東京製綱の社史の目次にもでてきました。これは創業者が沼津兵学校の教授で、艦船にとってロープが大切だということから起業に至ったためです。
- 索引には「大火」など6件が取り上げられていました。
- 資料編には沼津地区の電気事業沿革図が上がっていました。年表データでは1925年(大14)に東京電灯が沼津支店を設置しているのが載っています。
検索結果(抜粋)
年表の内容 | 年月日 | 『社史タイトル』 (発行所、発行年) | 種別(詳細) |
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旧沼津・田中・小島・相良・掛川・横須賀・浜松の7藩を合わせて静岡藩とする | 1868.09.04 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(社会の動き) |
沼津兵学校創立 | 1868.09 | 『八十年史』(日産化学工業、1969) | 年表(社会一般) |
静岡藩沼津兵学校創設(陸軍士官学校の前身) | 1868.11 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(社会の動き) |
商社会所、駿東郡沼津宿に設立 | 1869.01 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(社会の動き) |
沼津第五十四国立銀行開業(駿東郡沼津宿)(明15.12静岡第三十五国立銀行へ合併) | 1878.10.11 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(前身銀行の歩み) |
通信社設立(駿東郡沼津宿)(明24.3沼津銀行と改称。昭10.10静岡銀行<第1次>と合併、静岡銀行<第2次>設立) | 1880.04.08 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(前身銀行の歩み) |
沼津第五十四国立銀行、静岡第三十五国立銀行へ合併 | 1882.12 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(前身銀行の歩み) |
県立静岡・浜松・沼津3中学合併、県立静岡中学校設立 | 1886.07.29 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(社会の動き) |
通信社(明13.4設立)、沼津銀行と改称(初代頭取・和田伝太郎) | 1891.03.09 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(前身銀行の歩み) |
沼津御用邸落成 | 1893.07.13 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(社会の動き) |
松崎銀行設立(賀茂郡松崎村)(昭2.11沼津銀行へ合併) | 1893.12 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(前身銀行の歩み) |
駿豆肥料(株)銀行部設立(駿東郡沼津町)(昭3.7沼津銀行へ合併) | 1895.06 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(前身銀行の歩み) |
原町銀行設立(駿東郡原町)(明45.4本店、沼津町に移転、東駿銀行と改称。大12.1伊豆銀行へ合併) | 1895.06 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(前身銀行の歩み) |
沼津米穀取引所開設 | 1897.05.16 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(社会の動き) |
積栄社<第2次>設立(駿東郡富士岡村)(明34.1神山銀行と改称。昭3.4沼津銀行へ合併) | 1899.01 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(前身銀行の歩み) |
駿豆銀行設立(駿東郡長泉杓)(昭2.9沼津銀行へ合併) | 1900.07 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(前身銀行の歩み) |
沼津市注文御成橋・鉄道院注文天竜川鉄橋架設 | 1909 | 『石川島重工業株式会社108年史』(石川島重工業、1961) | 年表(当社主要事項) |
沼津大火 | 1913.03.03 | 『日本火災海上保険株式会社70年史. 年表・索引』(日本火災海上、1964) | 年表(損害保険業事項) |
出火地名 沼津市新出口町 焼失戸数2,400 | 1913.03.03 | 『日本火災海上保険株式会社70年史. 年表・索引』(日本火災海上、1964) | 年表(大火年表) |
沼津市大火、三十五銀行沼津支店類焼 | 1913.03 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(前身銀行の歩み) |
東京絹毛紡織会社資本金一千万円に増加沼津にモスリント、ツプ[トップ]工場を新設す。 | 1919.07 | 『日本毛織三十年史』(日本毛織、1931) | 年表 |
演目: 暫、伊賀越道中双六(沼津)、富士太鼓(榎本虎彦作)、彼岸の夕(額田六福作)、廊文章(吉田屋の場) ; 出演者: 専属男優に仁左衛門加入 ; 期間: 11月30日まで | 1922.11.06 | 『帝劇の五十年』(東宝、1966)年表 | 年表(主要興行年譜) |
沼津市制施行 | 1923.07.01 | 『静岡銀行史』(静岡銀行、1993) | 年表(社会の動き) |
東京電燈、京浜電力と富士水電を合併 新資本金二億九、六三九万四、四〇〇円、同日、沼津支店設置 | 1925.10.01 | 『東京電力三十年史』(東京電力、1983) | 年表(電気事業関係) |
沼津支店を設置す | 1925.10.01 | 『東京電灯株式会社開業五十年史』(東京電灯、1936) | 年表 |
目次の内容 | ページ | 『社史タイトル』 (発行所、発行年) | 種別(詳細) |
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創業前史 / 序章 創業者たちの数奇な半生 / (5) 運命的出合いとなった沼津兵学校 | 14 | 『東京製綱百年史』(東京製綱、1989) | 目次 |
第6章 経営刷新へのチャレンジとグローバリゼーション / 4. デジタル技術と通信自由化への対応 / 水測機事業と沼津工場建設 | 276 | 『進取の精神』(沖電気、2001)目次 | 目次 |
索引の内容 | ページ | 『社史タイトル』 (発行所、発行年) | 種別(詳細) |
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沼津の大火 | 136 | 『東京海上火災保険株式会社百年史. 下』(東京海上火災保険、1982) | 索引(事項索引) |
沼津毛織 | S16-6 | 『日本興業銀行50年史年表』(興銀、1957) | 索引(その他の会社等) |
東海道新幹線 / 沼津付近路盤 | 154 | 『大林組百年史』(大林組、1993) | 索引 |
沼津市図書館 | 924 | 『大林組百年史』(大林組、1993) | 索引 |
明電舎 / 沼津工場 | 62;204 | 『大林組百年史』(大林組、1993) | 索引 |
東京電灯 / ―沼津支店 | 375 | 『関東の電気事業と東京電力』(東京電力、2002) | 索引 |
内容 | ページ | 『社史タイトル』 (発行所、発行年) | 種別(詳細) |
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関東地方の電気事業沿革図(沼津地区) / 明治28年10月〜昭和26年5月1日 / 図、事業社名 | 別紙 | 『東京電力三十年史』(東京電力、1983) | 資料編(業界) |
参考リンク
- 戦国から明治までの重要史料、「豆州内浦漁民史料」
〔沼津市観光WEB〕
http://www.city.numazu.shizuoka.jp/kankou/gokan/rekishi/gyomin/index.htm - 展示室のご案内
〔沼津市歴史民俗資料館〕
http://www.city.numazu.shizuoka.jp/kurashi/shisetsu/rekishiminzoku/regular.htm - [栄一ゆかりの地] 【静岡】 フランスから帰国、旧主蟄居中の静岡へ - 静岡藩仕官時代 【『渋沢栄一伝記資料』第2巻掲載】
〔実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」 - 2013年12月10日〕
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20131210/1386643734 - 沼津大火
〔沼津市〕
http://www.city.numazu.shizuoka.jp/shisei/profile/rekishi/genshikara/taika_1.htm - 東京製綱 (社史紹介「た」)
〔渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター / 社史プロジェクト〕
http://www.shibusawa.or.jp/center/shashi/shasi_ta.html#05
凡例
- 「おもしろ社史検索」を始めるにあたって
〔実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」 - 2012年12月7日〕
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20121207/1354846066