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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 『渋沢栄一と王子製紙株式会社 : 国家社会の為に此の事業を起す : 企画展』 【渋沢史料館,2013】

書誌事項

渋沢栄一王子製紙株式会社 : 国家社会の為に此の事業を起す : 企画展 / 渋沢栄一記念財団渋沢史料館編
 東京 : 渋沢栄一記念財団渋沢史料館, 2013.03
 76p ; 30cm
 注記: 展覧会カタログ ; 会期・会場: 2013年3月16日-5月26日:渋沢史料館 ; 後援: 王子ホールディングス株式会社, 公益財団法人紙の博物館 ; 使用用紙: 王子製紙製品

解題

 明治維新後に渋沢栄一は、殖産興業には人々の知識を高める書籍や新聞などの印刷物の普及が必要で、そのために安価で大量印刷が可能な洋紙製造をすべきと考えた。そして1873年(明治6)合本組織の洋紙製造会社として抄紙会社を設立。抄紙会社は時代を経て1893年(明治26)王子製紙となり、日本最大の製紙会社として発展する。
 本書は王子製紙を継承した王子ホールディングスの創立140年の年に開催された渋沢史料館の展示図録で、紙の博物館収蔵資料を中心に渋沢栄一王子製紙の関わりを紹介したもの。パリ万博訪問で新聞に注目した栄一を序章に記し、続いて製紙会社の設立、人材と技術の育成、後身への引き継ぎの3章と、現在の王子ホールディングスに触れた終章からなる。多くの写真と解説記事により、栄一が製紙会社設立期に直面した課題へどのように対処していたかを活写する内容になっている。2本の論考と文献案内、掲載資料解説も掲載。なおこの展示は渋沢史料館が2011年度より続けている「企業の原点を探る」シリーズの第2回目。

目次

項目ページ
目次巻頭
凡例巻頭
開催にあたって1
渋沢栄一にとっての王子製紙2
序章 洋紙への着目3
  ヨーロッパ渡航4
  渋沢栄一関連製紙会社社名変遷図6
第1章 創る : 製紙事業への挑戦7
  抄紙会社を立ちあげる8
  施行[試行]錯誤のなかで10
【コラム】抄紙会社雇用の外国人住居(後、渋沢栄一も仮住まい)亀山の洋館11
  会社存続の危機に奔走12
  王子に工場を設置14
  開業式16
【コラム】抄紙会社(後、製糸会社)の印刷製本、出版事業18
第2章 育てる : 人・技術19
【コラム】製紙会社を見守る飛鳥山に別荘を構えた栄一21
  十九歳の青年を海外へ22
  日本初・木材パルプ製造工場設置24
特別章 王子製紙王子工場の風景27
現在の王子工場跡地付近略図33
第3章 引き継ぐ : 栄一の辞任35
  王子製紙株式会社となる36
  同盟罷工(ストライキ)起きる38
  栄一、取締役会長を辞任40
  中部工場の建設41
終章 「渋沢栄一」の継承 : 王子ホールディングス株式会社の現在43
  大正末〜昭和初期の合併動向44
  王子製紙の「渋沢栄一」再認識46
  CSR活動の淵源47
  現在の王子ホールディングス株式会社48
論考と資料49
  【論考】近代製紙業における(旧)王子製紙の役割 / 四宮俊之50
  【論考】王子ホールディングス株式会社の現在と将来 / 飯塚靖53
  王子製紙関連社史及び文献案内56
  掲載資料の解説と翻刻58
  渋沢栄一王子製紙株式会社関連年表73
主な参考文献75
謝辞巻末
開催情報巻末

外部機関の所蔵データほか

NDL-OPAC / CiNii Books / Worldcat / NDL Search / Webcat Plus / Googleブックス 1,2

渋沢史料館「企業の原点を探る」シリーズ一覧 (2014年秋以降は予定)

会期タイトル
2012.03.17〜05.27澁澤倉庫株式会社と渋沢栄一 : 信ヲ万事ノ本ト為ス
2013.03.16〜05.26渋沢栄一王子製紙株式会社 : 国家社会の為に此の事業を起す>> ウェブサイト
2014.03.15〜05.25実業家たちのおもてなし : 渋沢栄一と帝国ホテル>> ウェブサイト
2014秋東京商工会議所
2015春東洋紡
2015秋第一銀行
2016春清水建設

参考リンク