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 『渋沢史料館企画展・テーマ展講演集』 【渋沢史料館,2009】 [人形交流]

書誌事項

渋沢史料館企画展・テーマ展講演集
 東京 : 渋沢栄一記念財団渋沢史料館, 2009.03
 27p ; 30cm
 注記: 講演会「平和の大使 答礼人形」日時: 2008年2月2日 ; ミニシンポジウム「渋沢栄一と青い目の人形」日時: 2008年7月20日 ; 会場: 渋沢史料館

解題

 渋沢史料館は日米親善と平和をテーマに2008年に2回展覧会を開催。本書はその会期中に行われた講演会とミニシンポジウムの記録。「青い目の人形」とは親日家S.ギューリックが日米親善を願って1927年に米国から日本へ贈った約12,000体の人形のことで、その返礼として渋沢栄一らが同年米国へ贈ったのが58体の「答礼人形」。
 「答礼人形」展(2008/2/1-13)に際して開催された答礼人形研究家・高岡美知子氏の講演では、まずギューリックと渋沢栄一それぞれと人形との関わりを紹介。次に米国各地に残る44体の人形を10年近くかけて訪問した経験を詳述、最後に現在も続けている新世代の人形交流に触れている。
 「青い目の人形」展(2008/7/19-8/24)に際して開催されたミニシンポジウムでは、まず大妻女子大学准教授・是沢博昭氏が、人形にまつわる日米両国の文化、時代背景、米国移民法の問題などについて解説。そしてギューリックと栄一が人形に託した国際平和の夢に触れて講演を結んでいる。
 次に渋沢栄一記念財団理事長・渋沢雅英が、明治以降の日米関係史を概観し両国関係が振り子の如く揺れてきたことを指摘。そして栄一が排日移民法の打撃のなかで、人形交流を通じて日米関係改善に尽力したことを述べている。

書影

『渋沢史料館企画展・テーマ展講演集』

目次

項目ページ
はじめに巻頭
平和の大使 答礼人形:渋沢栄一と平和の親善大使『答礼人形』展関連講演会:2008年2月2日 / 高岡美知子 (答礼人形研究家)1
はじめに3
1. 「青い目の人形」と「答礼人形」3
2. 答礼人形・その現状6
3. 「新-友情人形の贈呈」10
渋沢栄一と青い目の人形:81年前のThe Doll Project:シリーズ“平和を考える”「渋沢栄一と青い目の人形:81年前の“The Doll Project”」展関連ミニシンポジウム:2008年7月20日13
是沢博昭 (大妻女子大学准教授)13
  日本の人形文化15
  人形による友情の絆15
  青い目の人形と答礼人形16
  国際交流のさきがけ16
  人形交流の背景17
  日本人排斥の理由18
  近代の日本18
  移民法の問題点:日本のコンプレックス19
  ギューリックの挫折と“Doll Project”19
  渋沢とギューリックが託した夢20
渋沢雅英 (財団法人渋沢栄一記念財団理事長)21

外部機関の所蔵データほか

NDL-OPAC / CiNii Books / Worldcat / NDL Search / Webcat Plus / Googleブックス 1,2

参考リンク