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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 渋沢栄一「欧米諸国の慈善事業に就いて」(『女徳論叢』所収) 【愛国婦人発行所,1908】

書誌事項

女徳論叢 / 愛国婦人発行所編
 東京 : 愛国婦人発行所, 1908.06
 150p ; 19cm
 内容: 欧米諸国の慈善事業に就いて / 渋沢栄一 (p87-93)

解題

 愛国婦人会発行の本書は、婦人と「修養」「健康」「慈善」「家計」「家庭」のテーマについて26人の寄稿を編集したもので、渋沢栄一は同会顧問として原稿を寄せている。内容は栄一が1902年(明治35)5月から9月にかけて、商工業視察のため欧米諸国を歴訪した際、各地の慈善事業についても観察をした見聞をまとめたもの。そこでは(1)米国フィラデルフィアのジラルト・コレッヂ、(2)ドイツの実業家クルップの慈善事業、(3)英国のアレキサンドラ・ツラストの慈善事業、(4)フランスのガイヨンにある感化院、の4か所について事業の概要を記すと共に、自身の感想を述べている。7ページほどの短い文章であるが、商工業の発達した欧米各国において実施されている慈善事業から栄一が深い感銘を受け、大いに手本としたいと考えたことが伝わってくる。
 なお栄一の寄稿とほぼ同様の内容が、1902年11月23日四恩瓜生会大会における栄一演説の大要として『をんな』2巻12号([大日本女学会]、1902.12)に掲載され、『渋沢栄一伝記資料』第24巻p298-300に再録されている。

外部機関の所蔵データほか

NDL-OPAC / Worldcat / NDL Search / Webcat Plus / Googleブックス 1,2

参考リンク