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 野村甲子郎「伊藤伝七翁」(『竜門雑誌』連載) 【竜門社,1913-1914】

『竜門雑誌』連載「伊藤伝七翁」詳細

連載回記事タイトル本文見出し出版年月ページ
1伊藤伝七翁実歴談 : 経歴談[諸言]3041913.0954-56
伝七翁十三歳にして帯刀御免
2伊藤伝七翁(承前) : 経歴談物質的革命の到来3051913.1039-42
酒造 製糸 製茶
泉州堺の紡績場を観察す
3伊藤伝七羽[翁](承前) : 経歴談泉州堺の紡績場視察3061913.1137-40
紡績事業の研究と岩村県令との論議
4伊藤伝七翁(承前) : 経歴談機械貸下げ出願3071913.1246-50
5伊藤伝七翁(承前) : 経歴談紡績所設立に就ての焦慮3081914.0161-63
相沢政養君の寄書
6伊藤伝七翁(承前) : 経歴談紡績所設置の願意を達す3091914.0258-60
7伊藤伝七翁(承前) : 経歴談[設立上願書添付意見書]3121914.0560-64

解題

 竜門社発行の『竜門雑誌』に連載された、伊藤伝七(いとう・でんしち、1852-1924)の伝記(未完)。
 渋沢栄一は三重紡績株式会社常務取締役伊藤伝七の還暦を祝い、1913年(大正2)飛鳥山の自邸にて祝宴を開催。席上伊藤の功労を賞賛した栄一の祝辞に対し、伊藤は川嶋村の三重紡績所創業の発端から、栄一の援助奨励を得て三重紡績会社を創立し、栄一の指導に依って当初の資本金20万円余から増資を重ね1025万円の大会社となった経歴を述べた。これを紡績界の史料として竜門社後進諸氏の参考とするため、竜門社社員野村甲子郎が更に伊藤に取材し諸記録を調査して稿本をまとめた。この成果を7回に渡り『竜門雑誌』に連載したのが本記事。初回巻頭に掲載経緯が記されているが、全7回の内容は伊藤の少年期から1878年(明治11)の紡績機械払下出願まで。酒造業を営む父が明治に入り新産業である紡績業を志し、それを継いで堺紡績所で研鑽をつみ紡機払下を受けるまでの一連の過程は、伊藤伝七の実業家としての萌芽を伝える十分な内容といえる。

書影

伊藤伝七翁

外部機関の所蔵データほか (竜門雑誌)

NDL-OPAC 1,2 / CiNii Books / Worldcat / NDL Search / Webcat Plus / Googleブックス 1,2

参考リンク