書誌事項
渋沢史料館年報. 2012年度 / 渋沢栄一記念財団渋沢史料館編
東京 : 渋沢栄一記念財団渋沢史料館, 2014.03
32, 67p ; 30cm
注記: 1984年度-1998年度のタイトルと刊行頻度: 渋沢史料館年報, 年刊 ; 1999年度-2011年度のタイトルと刊行頻度: 渋沢史料館報, 3年刊
解題
1982年に登録博物館として開館した渋沢史料館の2012年度年報。概要、事業、資料を掲載した「年報編」と、各種論考を掲載した「調査研究編」からなる。「年報編」は巻頭より横書きで、「調査研究編」は巻末より縦書きで掲載。
「調査研究編」はインタビュー1本と論文2本からなり、インタビューは渋沢史料館開館から30年の歩みを、開館直後から関わった井上潤館長に川上恵学芸員が聞いたもの。博物館事業が渋沢栄一記念財団の事業展開に沿ってどのように発展してきたかが忌憚なく語られている。続く一つ目の論文「抄紙会社「頭取代」-「株主惣代」経営体制の成立と渋沢栄一」は、1873年創立の抄紙会社(後の王子製紙)に渋沢栄一が具体的にどのような役割で関わったのか、同社の経営体制の変化と併せて検討したもの。2013年の渋沢史料館企画展「渋沢栄一と王子製紙株式会社」を担当した桑原功一学芸員が、展示準備において得た知見にその後の調査研究を踏まえて執筆。次の論文「日本史籍協会叢書『渋沢栄一滞仏日記』の刊行と収録日記についての考察」は、栄一のヨーロッパ体験を知る上での基本資料の一つ『渋沢栄一滞仏日記』について、収録された3つの日記史料の概要を整理し、その刊行経緯を確認したもの。関根仁学芸員が2011年度中央史学会第36回大会での研究発表内容を基に作成。
なお、『渋沢史料館年報』は1984年度から1998年度までは15年にわたり各年度の分を発行し、1999年度からは『渋沢史料館報』と改題して複数年度の内容をまとめて編集、2004年から3年ごとに4回刊行した。本号では再び『渋沢史料館年報』と改題し、単年度分の内容となった。
書影
目次
項目 | ページ | |
---|---|---|
年報編 | ||
ごあいさつ | 巻頭 | |
目次 | 巻頭 | |
1 渋沢史料館の概要 | 1 | |
1. 沿革 | 1 | |
2. 施設概要 | 1 | |
3. 常設展示 | 2 | |
4. ホームページ | 2 | |
2 2012年度の事業 | 3 | |
1. 来館者数 | 3 | |
2. 資料の収集 | 4 | |
3. 資料の利用 | 5 | |
4. 資料の整備 | 8 | |
5. 展示 | 10 | |
6. 調査・研究 | 12 | |
7. 教育普及 | 18 | |
8. 刊行物 | 19 | |
9. 広報 | 20 | |
10. その他の協力 | 24 | |
11. 晩香廬・青淵文庫の内部公開 | 24 | |
12. その他 | 24 | |
3 資料 | 27 | |
1. 渋沢史料館館則 | 29 | |
2. 渋沢史料館観覧規定 | 31 | |
調査研究編 | ||
目次 | 巻末 | |
【インタビュー】渋沢史料館開館三〇年を迎えて : 渋沢史料館井上潤館長に聞く | 1 | |
1 渋沢史料館開館三〇年を迎えて | 1 | |
開館当時の渋沢史料館 | 1 | |
就職当時の業務内容 | 4 | |
開館当時の企画展 | 7 | |
『渋沢史料館年報』の刊行と実習生の受け入れ | 10 | |
渋沢栄一生誕一五〇年事業 | 13 | |
2 館長就任後の思い出 | 19 | |
財団組織の変化と海外展覧会 | 19 | |
館長に就任して | 21 | |
今後の渋沢史料館、後輩たちに期待すること | 22 | |
【論文】 | 25 | |
抄紙会社「頭取代」-「株主惣代」経営体制の成立と渋沢栄一 : 明治七年一月の会社事務委托をめぐって / 桑原功一 | 25 | |
はじめに | 25 | |
1 創立期、抄紙会社における渋沢栄一の位置 | 27 | |
(1) 創立草創期における栄一の位置 | 27 | |
(2) 開業準備へ向けた経営体制づくり | 29 | |
2 「頭取代」−「株主惣代」経営体制の成立 | 32 | |
(1) 栄一への会社事務委托 | 32 | |
(2) 「頭取代」−「株主惣代」経営体制の成立 | 36 | |
むすびにかえて | 40 | |
注 | 42 | |
日本史籍協会叢書『渋沢栄一滞仏日記』の刊行と収録日記についての考察 / 関根仁 | 47 | |
はじめに | 47 | |
1 収録されている日記 | 48 | |
(1)航西日記 | 49 | |
(2)巴里御在館日記 | 50 | |
(3)御巡国日録 | 51 | |
2 『渋沢栄一滞仏日記』の編纂と刊行 | 51 | |
(1)日本史籍協会からの依頼 | 52 | |
(2)写本の作成 | 54 | |
3 収録日記についての考察 | 55 | |
(1)「航西日記」の収録方法について | 56 | |
(2)「御巡国日録」の構造 | 56 | |
(3)三点の日記の関連性 | 58 | |
(4)収録されていない、滞仏関係の日記 | 59 | |
おわりに | 60 | |
注 | 61 | |
図表1 『渋沢栄一滞仏日記』の構造概略 | 67 | |
図表2 日記の記述期間 | 67 |
外部機関の所蔵データほか
参考リンク
- [栄一関連文献][渋沢史料館][文献解題] 『渋沢史料館年報』『渋沢史料館報』 【渋沢史料館,1985-】
〔実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」 - 2013年8月20日〕
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20130820/1376965789 - 企画展 渋沢栄一と王子製紙株式会社 〜国家社会の為に此の事業を起す〜
〔渋沢史料館|公益財団法人 渋沢栄一記念財団〕
http://www.shibusawa.or.jp/museum/news/exhibition/post2013_03_16_41014.html - [今日の栄一] 1928(昭和3)年1月25日(水) (87歳) 『渋沢栄一滞仏日記』刊行 【『渋沢栄一伝記資料』第48巻掲載】
〔実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」 - 2010年1月25日〕
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20100125/1264384769 - 渋沢栄一滞仏日記データベース
〔国立歴史民俗博物館〕
http://www.rekihaku.ac.jp/doc/gaiyou/shibusawa.html
*利用にあたっては事前に登録申請が必要です。