情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 『第一銀行史. 上巻・下巻』 【第一銀行八十年史編纂室, 1957】

会社名

株式会社第一銀行 [Kabushiki Kaisha Daiichi Ginko]
[The Dai-Ichi Bank, Ltd.]

書誌事項

第一銀行史. 上巻・下巻 / 第一銀行八十年史編纂室編
 東京 : 第一銀行八十年史編纂室, 1957.12
 2冊 ; 27cm
 注記: Title in romaji: Daiichi Ginko shi ; 英文社名: The Dai-Ichi Ginko (上巻p622 1909年刊海外向冊子), The Dai-Ichi Bank Ltd. (下巻p515 1952年刊海外向パンフレット) ; 印刷所: 共同印刷 ; 上巻: 970p, 図版7枚, 折り込表5枚 ; 下巻: 542, 281p, 図版13枚, 折り込表9枚 ; 天金 ; 縦組み ; 表紙に行章「二重星」の型押し ; 題字は渋沢栄一書より蒐字 ; 編纂: 土屋喬雄ほか

書影

第一銀行史. 上巻・下巻

会社沿革と社史メモ

 1873年(明治6)日本初の株式組織の銀行として創立した第一国立銀行は、経済道義を重んじる創設者渋沢栄一のもと、英国人アーラン・シャンド(Alexander Allan Shand, 1844-1930)の指導で堅実な英国流商業銀行の流儀を導入する。1896年(明治29)国立銀行営業満期により(株)第一銀行と改称し、支店網を広げ韓国では中央銀行の役目も果たす。1909年(明治42)韓国における営業の大部分を新設の韓国銀行へ譲渡。1912年(大正元)から二十銀行を初め多くの銀行を合併し業容を拡大。第二次大戦中1943年(昭和18)三井銀行と合併し帝国銀行となるが、戦後1948年(昭和23)分離して再び第一銀行と改称し再建の途に就く。渋沢栄一は創立時より総監役、頭取、相談役を務める。嫡孫渋沢敬三は取締役、副頭取を歴任し、本書に序文を寄せている。
 創立80周年を機に編纂された本社史は上下2巻からなる。上巻は日本の金融史における第一銀行の地位を論じた総説と、明治・大正時代の沿革を詳述。下巻は昭和時代の沿革に続き、附録として営業店写真や年表等を掲載。合併した銀行の小史も各巻に含む。なお編纂に当った経済学者土屋喬雄(つちや・たかお、1896-1988)は、同時期に『日本金融史資料』『渋沢栄一伝記資料』の編纂事業にも関わっている。土屋は『第一銀行八十年小史』(1953)も執筆した。
[第一銀行は1971年(昭和46)日本勧業銀行と合併し第一勧業銀行となる]

第一国立銀行、第一銀行における渋沢栄一渋沢敬三の役職

1. 第一国立銀行時代 (1873年6月〜1896年9月)

氏名役名在任期間
渋沢栄一総監役1873年6月〜1875年8月
頭取1875年8月〜1896年9月
2. 株式会社第一銀行時代 (1896年9月〜1943年3月)
氏名役名在任期間
渋沢栄一頭取1896年9月〜1916年7月
相談役1916年7月〜1931年11月
渋沢敬三取締役1926年7月〜1932年8月
常務取締役1932年8月〜1941年12月
副頭取1941年12月〜1942年3月
*『第一銀行史. 下巻』p105〜「役員一覧」より作成

目次、年表、資料編等へのリンク(渋沢社史データベース)

目次(章まで)

項目ページ
上巻
口絵巻頭
   第一銀行本店 昭和5年建築巻頭
   東京海運橋 第一国立銀行 / 一曜斎国輝画巻頭
発刊によせて / 渋沢敬三巻頭
序 / 頭取 酒井杏之助巻頭
凡例 / 第一銀行八十年史編纂室巻頭
目次巻頭
第一篇 総説1
   第一章 わが国金融史上における当行の地位1
   第二章 維新以前におけるわが国の貸借制度及び金融制度6
   第三章 明治維新以後の近代的通貨金融制度確立過程における当行の地位33
第二篇 明治時代45
   第一章 第一国立銀行の設立と創業期の営業(明治初年〜明治九年七月)45
   第二章 国立銀行条例改正後の当行の発展(明治九年八月〜十六年六月)302
   第三章 国立銀行条例再改正以後の当行(明治十六年七月〜二十九年九月)484
   第四章 株式会社第一銀行としての発足と発展(明治二十九年九月〜明治末期)557
   第五章 韓国の中央銀行としての当行の事業633
第三篇 大正時代773
   第一章 大正初頭における商業銀行としての体制強化(明治末期〜大正二年)773
   第二章 第一次世界大戦と当行の躍進(大正三年〜大正九年)809
   第三章 反動恐慌及び大震災と当行(大正九年〜大正十五年)884
附録巻末
   一 第一国立銀行決算諸表(明治六年下季〜明治二十九年上季)巻末
   二 株式会社第一銀行決算諸表(明治二十九年下季〜昭和元年下季)巻末
下巻
口絵巻頭
   第一銀行本店巻頭
   東京海運橋 第一国立銀行 / 小林清親巻頭
凡例 / 第一銀行八十年史編纂室巻頭
目次巻頭
第四篇 昭和時代1
   第一章 昭和二年の金融恐慌と当行(昭和二年〜昭和四年)1
   第二章 金解禁及び世界恐慌と当行(昭和五年〜昭和六年)77
   第三章 満州事変下の当行(昭和七年〜昭和十年)160
   第四章 日華事変下の当行(昭和十一年〜昭和十六年)191
   第五章 太平洋戦争下の当行249
   第六章 帝国銀行時代(昭和十八年四月〜昭和二十三年九月)315
   第七章 再建第一銀行(昭和二十三年十月〜昭和二十八年六月)486
むすび540
附録1
   一 営業所一覧1
   二 業務機構103
   三 資本金及び積立金の推移104
   四 役員一覧105
   五 従業員数の推移121
   六 預金、貸出、所有有価証券の推移(グラフ)123
   七 年表127
   八 株式会社第一銀行決算諸表(昭和二年上期〜昭和十八年三月)巻末
   九 株式会社帝国銀行決算諸表(昭和十八年六月〜昭和二十三年九月)巻末
   十 再建株式会社第一銀行決算諸表(昭和二十三年下期〜昭和二十八年上期)巻末
*旧字は新字に変換

外部機関の所蔵データほか

NDL-OPAC 1,2 / CiNii Books / 神奈川県立川崎図書館 1,2 / Worldcat 1,2,3,4 / NDL Search / Webcat Plus / Googleブックス 1,2 / 社史Wiki

関連エントリー

参考リンク

更新履歴

2015.07.23:関連エントリーに「第一銀行関連社史エントリー一覧」追加
*このエントリーは、実業史研究情報センターのサイトで公開している「社史紹介」に先駆けて「速報版」として公開するものです。